建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協)は8月31日に、新発田市の県立新発田南高校で、建設業の魅力や、やりがいを伝える「学校キャラバン」を開催した。北陸建設アカデミーや新潟県地質調査業協会、新潟県左官業協同組合が協力。同校土木工学科3年生40人を対象に、ICT建機や左官体験など、実践的な職業体験講座が開かれた。
人材協では2014年度から建設業界、行政と一体となって小・中・高校生に建設業の社会的役割やものづくりの素晴らしさを伝え、交流する学校キャラバンを展開。毎年、各地方整備局と連携して開催しており、新潟県内では初めて。
北陸建設アカデミーでは、ICT技術を活用した杭ナビショベルや、左官業協同組合の協力によるしっくい・珪藻土の壁塗り体験を行ったほか、新潟県地質調査業協会は、高校生と一緒に従来のロッドと錘を使った試験方法と半自動の試験機によるスウェーデン式サウンディング試験を実演した。
各種体験を通じて、高校生は「授業などで学んではいたが、実際の建機や職人技はイメージと違って、すごかった」と話した。
同校では、これまでにレックスの協力による舗装工事の実習を行っているほか、土木工学科3年生の中には、小型車両系建設機械や技能士の資格を取得済みの生徒もいる。
40人のうち公務員を含めて半数以上が就職を希望しており、ほぼ希望先は決定しているという。全国に支店を構える県外本社企業の名前も聞かれ、講師を務めた技術者からは「地元企業は高校生確保に、これからは他産業以外でも大手の企業と競い合わなければ、いけないのか」とため息交じりに語った。
【写真=サウンディング試験を体験、ICT建機試乗】