関東地方整備局の野坂周子道路部長が就任インタビューに応じ「土木工学を学ぶことになったきっかけが、祖母が関東大震災と東京大空襲を経験していることで、そこからインフラに対して興味を持った。関東大震災から100年という節目にあたるが建設省に入った理由が『国民に貢献できる人間になりたい』と思ったこと。このポストで貢献していきたい」と意気込みを語った。
野坂部長は「攻めている建設業社長の話を聞いていると、私自身も刺激を受けている。担い手不足や2024年問題などがあるが、建設業界にはさまざまな明るい目標がある。インフラで国民を豊かにするという目標をもって集まっているチーム。技術者集団の一員として尽力したい」と力を込めた。
8月3日には道路啓開訓練を行い「関東大震災のようなことが発生した際は、整備局のみでは対応できないので、通信事業者や建設業者がいないと仕事ができない。連携して、どのように首都直下地震に備えるのかを取り組んでいる。地震や道路啓開ができる体制を追求していくことが必要だ」との考えを示した。
また、管内自治体からの「幹線道路ネットワーク整備に関する熱い要望を受けている。便益は出るが費用がかかるので、どのように進めていくのかしっかりと考えていく」と話す。
さらに結節点事業の話題から「港湾アクセスや空港アクセス、物流における2024年問題を踏まえて、いかに効率的に物流を流すのかという観点で道路の在り方を考えていくことが必要」との認識を示した。
心に残った仕事には横浜の北西線事業を挙げ「ルートが決まっていないところから始まり、事業化や財政面の仕事、供用まで手掛けた」ことを振り返った。
仕事に取り組む上では「初志貫徹」を心掛けている。「物事に愚直にひたすら真面目に取り組んでいる。決めたことへの情熱だけは卑下しないだけ自分をもっていられるようにしている」と話した。
【略歴】のさか・しゅうこ 1998年東京大学大学院工学系研究科 社会基盤工学専攻修士課程Ⅰ種(土木)。同年4月近畿地方建設局京都国道工事事務所工務課採用。関東地方整備局横浜国道事務所調査第一課長、中部地方整備局沼津河川国道事務所長、大臣官房技術調査課技術企画官などを経て、7月1日から現職。東京都出身、49歳。趣味はランニングとバイオリンを弾くこと。