県宇都宮土木事務所は、69カ所に88億6200万円を投入する2023年度の事業概要をまとめた。内訳は道路・街路事業が60カ所55億6400万円、河川砂防事業は9カ所32億9800万円。新規は宇都宮向田線平出板戸Ⅱで鬼怒川を渡河する板戸大橋の上下部工に着手するほか、桑原1号沢(宇都宮市石那田町)は測量設計を進め砂防堰堤の諸元を固める。改良復旧の田川は本川と調節池2カ所の掘削工の進ちょくを図る。姿川では公図公簿調査を進め残る河道設計や橋梁架け替え、下流側の河道拡幅工事を推進する。(2面に事業箇所)
宇都宮向田線(宇都宮テクノ街道)が鬼怒川を渡河する板戸大橋は、4車線化に向け左岸側6径間分の工事を先行。今年度末までに上下部工を公告できるよう準備を進めていく。新橋は既設橋と同じ4・7・6径間連続非合成鋼鈑桁を軸に検討。下部工のうち左岸側橋台1基が杭基礎、残る下部工は直接基礎で施工する。
桑原1号沢は不透過型堰堤1基を計画。19年東日本台風で土砂が下流の小来川文挾石那田線まで流出。土砂災害警戒区域に指定され、土砂生産の激しい渓流のため不透過型堰堤の整備を前提に詳細設計に着手した。測量設計や地質調査の成果を踏まえ諸元を確定。砂防指定地の申請や用地測量に備えていく。
123号氷室は、延長1420mのうち縦断勾配のある視認性の悪い西側760mを先行して着手。幅員23mの4車線に拡幅するため、21年度までに調整池や新設の交差点、取水堰などの設計をまとめた。今年度は用地補償を継続する。
宇都宮結城線上蒲生は、全体1600mのうち上三川北小前960mを重点整備区間として14・5mに拡幅し線形を改良する。車道3・25m×2の両側に1・5mの自転車通行帯、歩道も両側に2・5mを確保する。
線形改良に伴いクランク状に交差する2町道を十字路化。赤沢川は160mを付け替え、渡河2カ所はボックス工で整備。歩道橋は120m南に移動し新設する計画。今年度は用地補償に備え用地測量・物件調査を進める。
田川は上流が山田川との合流部付近に岩曽調節池、下流は給分頭首工付近に川田調節池を設置。調節池の用地補償を進め掘削工事に着手。両調節池間6500mの河道を50㌢程度掘り下げるため、下流側から順次工事を進めていく。築堤は山田川合流部をショートカットし水衝部の右岸、堤防高が不足する洗橋と城東橋間の左岸の2カ所。このうち市街地に位置する左岸は、家屋が近接しているためパラペット護岸の併用を予定した。
姿川は豆田川合流部の調節池の概成を見込む。本川の橋梁は市道631―1号線人道橋を架け替えるため詳細設計を実施。橋長16・8mの幅員1・6mで市と調整。上部はプレテン単純PC床版、下部工が直接基礎逆T式橋台2基。河道設計は公図混乱地区440mについて市の地籍調査などと併せ、委託時期を検討する。
宇都宮真岡線上桑島バイパス1100mは詳細設計をまとめ、用地補償に備え用地測量を4分割で発注。ルートは越戸川を渡河する柿ノ木坂下橋付近から東に分岐。現道北側の農地を東西に直線的に結び、下岡本上三川線に合流。市道3519号線と下岡本上三川線に付加車線を設置する。幅員は12mで自転車通行を考慮した路肩幅1・5m、北側に歩道2・5mを確保する。
121号宮環と宇都宮結城線交差点は、立体化を先送りし平面交差による渋滞対策を固めた。東西の121号の右折レーンを延伸するほか、北進の宇都宮結城線には左折レーンを設置する。道路計画を確定するため12月までに路線測量と詳細設計を発注する。
121号上籠谷は市事業みずほの通り4車線化の進ちょくに併せ、車線増加の交通流を受け入れる408号との交差点とアプローチ部を拡幅する。
上三川町の下岡本結城線上郷南は第3工区950mの進ちょくを図る。江川を渡河する栄橋を架け替えるため左岸側橋台1基に着工。橋長が28m、幅員は片側に歩道2・5mを確保した10・5m。上部工が単純非合成鈑桁、下部工は杭基礎逆T式橋台2基。
上三川町役場南側の宇都宮結城線は、バリアフリーに改善するため電線共同溝の基本設計を進め、植樹マスに植えられ繁茂しケーブルに接触しているイチョウの剪定方法などを検討する。計画延長が600m、歩道幅員は3・5m×2。