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長野県飯田建設事務所

初弾工事を来月上旬/抑止工はアンカー工へ変更/天龍村福島の地すべり対策

2023/09/23 長野建設新聞

 県飯田建設事務所が進める天龍村福島地区の地すべり対策事業で、初弾工事の横ボーリング工が10月上旬にも公告となる。採択時点では抑止工として重力式擁壁工を想定していたが、地質調査により複雑な地すべり形状の構成が判明したためアンカー工に変更。総事業費は3億5000万円増加し、8億5000万円となる。完成予定は2027年度。

 同事業は18年度に採択。採択後長期間を経過しているとの理由で県公共事業評価監視委員会の本年度の審議対象となり、県による計画の見直し内容が明らかになった。

 当初計画では横ボーリング工14群(L2200m)と、延長60mの待受け式重力擁壁工を想定していた。しかし、地質調査を実施したところ、当初の想定以上に何層にも重なった複雑な地すべり形状の構成が判明。調査ボーリングの本数を増やし、さらに詳細な観測を行った。この結果、岩盤ブロックの上に2つの崩積土ブロックの存在を確認。複雑な地すべりを抑制するため、横ボーリング工の群数を当初の14群から19群(L8400m)へ増やすとともに、斜面の安定化のためアンカー工(N40本)への工法変更を行うことにした。

 総事業費8億5000万円の内訳は、調査設計費9000万円(当初計画は5000万円)、観測費1億8000万円(同1億3000万円)、本工事費5億8000万円(同3億2000万円)。24年度以降の残事業費は7億1826万円。

 近く公告する初弾工事の内容は全体19群の横ボーリング工のうち9本と、排水路工62m。工期は約210日を見込む。入札方式は総合評価落札方式で、価格以外の評価項目や配点は9月28日開催予定の県総合評価技術委員会で決定する。

 これまでに発注した業務と契約者は次の通り。

 【19年度】

 ◆地すべり調査解析、地すべり観測、地質ボーリング=北信ボーリング(飯山市)

 【20年度】

 ◆地すべり調査=北信ボーリング

 ◆測量=ゼンシン(駒ヶ根市)

 【21年度】

 ◆地すべり調査=中部測地研究所(諏訪市)

 ◆地すべり調査=国土防災技術長野支店(長野市)

 【22年度】

 ◆地すべり観測=北信ボーリング

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