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栃木県安足農業振興事務所

安足農振 24年度事業着手めざす、百頭・県で78haの農地整備

2023/09/28 栃木建設新聞

 県安足農業振興事務所は、足利市の百頭・県地区で約78haの農地整備に向けた調査を進めている。圃場の大区画化と併せて用水路、排水路、道路を一体的に整備する計画を今年度に樹立。2024年度の事業着手を目指している。全体事業費は概算20億円を試算。事業期間は30年度まで7年を想定。県営による農地(圃場)整備は市内で約20年ぶり。

 区域は百頭町、県町、羽刈町の各一部。協和中学校の周辺、東武伊勢崎線県駅の南側に広がる農地。東端は県道足利邑楽行田線、西端は中野福居線に接している。受益面積は約66ha。

 一帯の農地は昭和30年代に生産基盤整備が行われ区画が狭小。作業道も狭く、用水路、排水路が老朽化している。県では21年度に基礎調査に着手。整備内容を検討してきた。

 計画では標準区画を1haとし用水路工、排水路工は開水路を基本に整備。排水路の一部については、圃場間の移動が容易で土砂さらいや法面の草刈りが不要な暗渠型排水路の導入を検討。自動給水栓を設置するなど農作業や水管理の合理化、省力化を図る。

 区域内は農業用ハウスが多く、整備にあたっては可能な限りハウスを集団化。園芸ゾーンを確保する考え。作業道の標準幅員は5m。大型機械の搬出入や大型車両の円滑な通行、効率的な集出荷に対応し、幹線道路の幅員は6mとする計画。

 今年度は計画設計業務を県土地改良事業団体連合会に委託。今後、県公共事業評価委員会への概要報告などを経て、事業に着手する見通し。

 百頭・県地区を含む足利市南部の農地は昭和10~30年代に団体営による圃場整備が行われ、区画は10~30㌃。農道は狭く舗装が傷んだ箇所が多い。用水路と排水路は分離されているもの、一部が土水路で水管理に苦慮している。

 地元の三栗谷用水土地改良区(受益地約800ha)では大規模な農業生産基盤整備の実施を市に要望。市の意向調査結果などを踏まえ、土地改良区では百頭・県と県駅の東側の高松地区を圃場整備事業推進地区に位置付けている。

 足利市内の県営圃場整備事業は05年に完了した三和地区以来となる。安足農振事務所管内の県営事業は佐野市内で馬門、赤城地区が行われている。

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