県県土整備部は、鹿沼市の国道293号楡木バイパスⅡ期工区(下奈良部町~磯町、延長約3000m)の整備で、東北自動車道と交差する函渠工の測量設計に着手する。設計や工事実施をNEXCO東日本に委託するため、限度額49億7000万円の債務負担行為(期間2024~29年度)を9月補正予算案に措置。今年度中にNEXCO東日本と基本協定を締結する予定。函渠工は延長51mの計画で、4車線に対応した幅を確保する。設計で断面形式や工法を検討していく。
楡木バイパスⅡ期工区は現道東側のルート。南端は東北道交差部(鹿沼南バイパス起点部)、北端は楡木バイパスⅠ期工区の終点部。
県は21年度に事業着手し、南側の東北道横断部から主要地方道宇都宮楡木線までの約1200mを優先区間に設定。今年度は用地調査や補償を推進している。函渠工については21年度に協定締結前段の協議に必要な予備設計業務を開発虎ノ門コンサルタントに委託した。
優先区間は4車線の計画で標準幅員30・25m。整備は暫定2車線。暫定形の幅員構成は中央帯1・75m、車道3・25m×2、路肩0・75m、施設帯2m×2、副道5m×2。将来、車道2車線と路肩を整備する。
宇都宮楡木線から北側の区間は2車線で標準幅員22m。構成は車道3・25m×2、路肩0・75m、施設帯2m×2、副道5m×2。黒川を横断する橋梁1橋(118m)が計画される。
293号は県の東部から南西部地域を通る広域的な幹線で緊急輸送道路。事業区間は広域道路網マスタープランで主軸を補完するルート「栃木西部都市連絡幹線」の一部を形成。地域間の連携や交流を促進する重要な役割を担う。
楡木バイパスは東北道の南側の鹿沼南バイパス(2900m)が15年度に暫定2車線で供用。北側の楡木バイパスⅠ期工区(2300m)は21年3月に供用し、Ⅱ期工区が中抜けの形となっている。
Ⅱ期工区の整備が完了すると、交通渋滞が緩和され、交通事故が減少。安心安全で円滑な道路交通が確保され、防災機能や地域間連携が強化される。