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国土交通省,国土交通省不動産・建設経済局

【国土交通省就任インタビュー】現場の声を丁寧に/塩見英之不動産・建設経済局長

2023/09/25 本社配信

 国土交通省不動産・建設経済局の塩見英之局長は「不動産業、建設業がこれからも持続的に発展し、社会のために貢献していけるような存在になれるよう、一つ一つ取り組みを進めていきたい」と、大きな目標に向かって近づいていく努力が大事だと語る。また「今、何が求められているのか、できるだけ多くの現場のニーズ、声、要望を丁寧に、真摯に聞き力を尽くしていきたい」と決意を表明した。

 建設業の持続的発展に向けては「人手がなければ、産業としての持続性はない。若者、将来の担い手の確保、これが最大かつ唯一といえる待ったなしの大きな課題」と。その対応として「給与、休暇と、やりがいが感じられるような産業に変えていくことが大切。最終的には週休2日、賃金の水準に集約してくるだろう」と語る。

 解決に向けて、週休2日工事の発注など発注者の取り組みを説明する一方、「出口のところをしっかり押さえることも大事。特に民間工事では出口ベースで、工期に関する基準や労働時間規制などに抵触しないような働き方がされているかしっかり確認する」との考え。ICT活用などで、生産性の向上も必要と説明した。

 CCUSに関しては「直轄で行うモデル工事、公共団体工事での評価、経営事項審査での活用などが利用促進につながっている。登録に対してメリットを感じる取り組みと手続きや費用面でのハードルを下げる取り組みの両面から進めていきたい。キャリアパスを示し描くためにも非常に有益なもの」と話し、業界の意見をよく聞き、さらなる改善に努める。

 外国人材の獲得については「賃金の確保をするなど処遇をしっかりする。そして働きやすい職場、将来に向かって伸びていけると感じられる職場環境」の2つをあげ、日本語教育、安全面の教育なども関係団体と連携して取り組み、長く働ける職場環境を作ることに力を入れていく。

 中建審基本問題小委員会による中間とりまとめに対しては「制度的に対応が早急に必要な事項であり、法制化も含めてできるだけ早く実現していきたい」と対応を示唆。その一方で、働き方改革や処遇改善など「どんどんやっていかなきゃいけない」と話す。また、「どう運用するか、そしてこの制度を使ってどう業界を良くしていくのかは、建設業界の取り組みによるところが非常に大きい」との考えを示した。


【略歴】しおみ・ひでゆき

 1990年早稲田大学政治経済学部卒、建設省採用。国交省建設市場整備課労働資材対策室長、内閣官房内閣参事官、国交省大臣官房付、土地・建設産業局総務課長、水管理・国土保全局次長、大臣官房審議官(住宅局担当)を経て2022年7月から住宅局長。1966年8月17日生まれ。兵庫県出身。

インタビューに応じる塩見局長

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