国土交通省はICT施工の対象工種について2024年度、構造物工で基礎工、小規模工事として道路付属構造物工、電線共同溝工へ拡大を予定している。さらに、民間などの提案からの拡大では26件の提案を受けており、うち11件については年度内に基準類の改定を掲げ、技術の試行なども進める。
ICTの活用へ基準類の拡充を図り、構造物への活用を推進しており、中小建設業が活用しやすくなるよう小規模工事へのさらなる適用拡大を検討している。
構造物工のうち基礎工の拡大を図る。22年度は矢板工・既製杭工についての適用。23年度からは、鋼管ソイルセメント杭による基礎工へ拡大、出来形監理、検査への適用とし、3次元計測技術を活用した出来形監理を行うことで杭芯位置、杭径計測作業の時間短縮を図る。
道路付属物構造物工と電線共同溝工は、22年度にモバイル端末などで出来形管理する要領試行案を作成した。23年度はモバイル端末による出来形管理、ICTバックホウ刃先の3次元座標データ等を活用した出来形管理手法を検討する。
道路付属物構造物工は計測方法の確認とし、23年度は場所打ち水路工が検証工種。出来形は基準断面で標高確認。確認箇所(x、y)も把握し、3次元計測につなげる。
電線共同溝工は、適用計測機器の拡大として▽モバイル端末▽刃先の3次元データ▽TS等光波方式▽TS(ノンプリズム方式)▽RTK-GNSS―などの計測技術案があがっている。
そのほか、ICT建機の刃先位置計測機能を使った出来形管理手法を検討。単点計測技術を土工(1000立方m未満)、床掘工、小規模土工、法面整形工で実施できるよう検討する。3D-MG(マシンガイダンスショベル)のICT建機で、刃先の3次元座標を取得できる機能で、断面管理の光波計測に変えた出来形管理ができるようにするというもの。
民間等の提案・要望を踏まえた基準の策定・改定は、5~6月に民間提案を募っており26件の提案があった。うち11件は提案技術に実用性が認められ要領化を目指して検討し年度内に対応、4件は他の基準類で対応、1件は実施要領で対応。ほかは現場実績などの蓄積が必要で年度内対応はしないものなど。
年度内に改定など行い要領化を目指す提案などは別表の通り。現場での確認や試行など精度確認を経て基準化されるものが多い。