北陸地質調査業協会(平野吉彦理事長・キタック取締役副社長)は9月28日、新潟市中央区のホテル日航新潟で多くの来賓を招いて創立60周年記念行事となる記念式典・講演会を開催した。
式典で平野会長は、協会の歩みを振り返りながら、近年は経営基盤の安定に向けた北陸地方整備局との意見交換会の開催、技術力向上と地域に精通した技術者育成につなげる取り組みを進め、昨年からは「北陸3県の地形地質伝承プロジェクト」を立ち上げたことを紹介。今後も「このような取り組みを通じて業を発展させ、未来へつなげるために協会の役員・会員一丸となって取り組んでいきたい」と決意を表明し、発注者、大学、関連学会などに対してこれまでの支援を感謝するとともに、協会のさらなる発展へ協力を要請した。
来賓祝辞で、北陸地方整備局の遠藤仁彦局長は「協会の皆さまには、良質な社会資本の整備や地域の守り手として必要不可欠な役割を担っていただいている。引き続き地質調査技術の向上、優れた人材の育成確保などに努められ、インフラの整備・管理において重要な役割を担っていただきたい」と述べ、協会のさらなる発展を期待したほか、災害復旧や円滑な事業執行に向けて理解・協力を求めた。
全国地質調査業協会連合会(全地連)の田中誠会長は、特徴的な地形地質を有する北陸において、協会員が培ってきた経験や技術が発注機関から高く評価されているとした上で「地質調査業の重要性と社会的責任はより高まっている。全地連では若い地質技術者やボーリング技術者にとって新たな魅力や希望となるよう現場環境の改善や生産性向上を図り、地質調査業の役割のさらなる向上のため、全国の会員企業の皆さまとさまざまな取り組みを進めていく。北陸地質調査業協会が60年の実績を礎に北陸地域の発展を担う新しい時代にふさわしい活動を引き続き展開され、ますます発展されることを祈念する」と期待を寄せた。
なお、式典に先立ち、芝浦工業大学客員教授で建設業技術者センター理事長の谷口博昭氏が「Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー」をテーマに記念講演を行った。
【写真=60周年を契機にさらなる発展を誓った。平野理事長】