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【国土交通省就任インタビュー】社会への認識向上を/林正道大臣官房技術審議官

2023/10/06 本社配信

 国土交通省大臣官房の林正道技術審議官は「建設業が地域を支え、国土をしっかり守っていることを、社会に認識してもらいたい」との思いを語る。担い手確保、2024年問題、DXなど持続可能な建設業への取り組みは「建設業にとってはもちろんだが、国土を守っていくため、社会のために役立っていることの理解を進めたい」と意欲をみせる。

 喫緊の課題とされる担い手確保は、大事な取り組みであり、そのための環境整備、安全性向上などともに、省人化を合わせて進める必要性を説く。「国土を守る、地域を守る仕事は今以上に増えていく。担い手が不足していることを前提とした仕事のやり方などに切り替えることが必要。現場での省人化技術の導入や、入札契約、検査監督などの制度、手続きなども、そこをにらんで準備しておく必要がある」との考えを示した。

 工事現場の生産性向上へICT施工などは「直轄の現場をはじめ浸透してきており、成果が上がっている。これをさらに広げていくことが重要」との見解。新しい技術をどう実装していくのか、そのスピードアップも重要と捉えており「必要とされる技術を、どういう状況で使うのかなどを示すことで、技術開発も進む。その技術を必要とする現場があるため、新技術の実装も早くなる」と。

 資材価格の高騰へは「どこかにしわ寄せがいかないよう、転嫁していく必要がある。スライドを適用して直轄工事では件数も増えており対応できてるのではないか。今後も物価の上がり方など注視していく」と話すとともに、価格高騰による事業費圧迫が事業進捗を鈍らせないよう「できる限りの対応をしていきたい」との考え。

 賃上げの加点措置など総合評価方式の取り組みについて「制度導入により混乱することがないようにしないといけない。スムーズに目的が達成できるよう、発注者と受注者のコミュニケーションをしっかりとる。それに尽きる」と話した。

 月単位の週休2日といった休日の質の向上へは「働きやすい環境整備は当然必要で、若者や女性に魅力的と思っていただけるよう他の産業と比べ遜色ない、それ以上に魅力的な産業にしていきたい」と決意を示した。

 若いころは運動をかなりやったが、現在の趣味は神社巡りだという。出雲河川事務所長の時、出雲大社をはじめ出雲地方の神社からスタート。各地にある一之宮にも注目している。神社を中心に地域が広がって、まちができていく。まちづくりとのつながりが分かっていくのが面白い。

【略歴】はやし まさみち

1991年東京大学工学部土木工学科卒、建設省採用。外務省在サウジアラビア日本国大使館一等書記官、厚生労働省健康局水道課長補佐、国土交通省中国地方整備局出雲河川事務所長、水管理・国土保全局河川計画課河川事業調整官、中部地方整備局企画部長、水管理・国土保全局治水課長を経て、本年7月から現職。68年3月18日生まれ。

インタビューに応じる林技術審議官

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