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県内建設企業の意識調査8割が人手不足

2023/10/13 新潟建設新聞

 県土木部は、県内建設業者に対して行った建設企業意識調査の結果をまとめた。経営面の課題として8割の企業が「人材の確保・育成」を挙げ、県に期待する建設業振興策についても人材確保を求める割合が高かった。調査は、県内に主たる営業所がある建設業者1100社を対象に、今年5月~6月に実施。825社が回答した(回収率75%)。

 経営面での課題(3つ以内)では、「技術者等の人材確保・育成」が88・4%で最も高く、次いで「受注量の確保・拡大」が66・8%、「技能・技術、ノウハウの承継」が33・7%で続く。2020年度に行った前回の調査と上位の回答は変わらないものの「受注量の確保・拡大」を挙げる企業が前回調査の88・0%から減少している。

 県に期待する建設業振興策(3つ以内)でも「人材確保・育成支援」が60・3%で最多。このほか「地元優先発注の推進」46・2%、「労務単価の改善」41・2%、「発注の平準化」41・1%の割合が高い。

 現在の従業員の過不足感については「やや不足」とする企業が49・2%、「不足」は38・1%、「適正」が11・4%となり、「不足」と「やや不足」を合わせた87・3%の企業で人材が足りていない。将来の過不足状況では「不足」が50・4%、「やや不足」が42・9%で、「不足」と「やや不足」が逆転し、さらに人手不足が進行する見通し。

 また、過去3年間で、新卒者を採用した企業は35・3%で、「採用していない」とした企業の7割では「求人しても応募者がいなかった」としている。

 このほか、今後目指していく企業戦略として「コストダウン(経費削減、施工技術改善等)を通じた経営体質強化」が68・8%で最も高く、次いで「ICT施工やDX化等デジタル技術の活用による生産性向上」が34・0%だった。

 ICTの活用状況については▽3次元測量▽3次元設計データ作成▽ICT建機による施工▽3次元データによる施工管理―ともに「自社で実施した」とする企業は14~15%にとどまり、下請業者の活用を含めても20%前後。約40%が「活用する予定は無い」と回答している。ICT活用における課題と不安(複数回答可)では「採算が取れない」「活用できる工事(機会)が少ない」「「扱える人がいない」との回答が6割を占めた。

 なお、調査回答企業の地域割合は下越43・2%、中越37・6%、上越14・4%、佐渡4・8%。業種別では75・5%が総合建設業で、12・6%は設備工事業、11・8%が専門工事業。売上高の規模は1億円未満10・7%、1億円以上5億円未満50・8%、5億円以上10億円未満14・4%、10億円以上30億円未満16・8%、30億円以上6・8%。

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