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国土交通省就任インタビュー】持続可能な建設業を/宮沢正知建設市場整備課長

2023/10/12 本社配信

 7月に就任した国土交通省不動産・建設経済局の宮沢正知建設市場整備課長は「基本的な思いは、この建設産業全体をいかに持続可能にしていくのかというのが私の大きな仕事」だと目標を見据える。同課は、専門工事業、CCUSをはじめとする担い手や、資材などより建設現場に近い部分を担う分、課題もより多いと感じている。

 その中でも特に力を入れて取り組みたいことは「担い手確保に関することが一番。新しいことではないが、ちゃんと給料が上がり、休暇が取れ、希望が持て、かっこよくしていくこと」と話す。もう一つ「資材価格高騰への対応と価格転嫁を進めて、建設のサプライチェーン全体で展開していく」ことをあげている。

 CCUSについては、「しっかり経験を積んで、資格を登録し、経験や技能を賃金に反映させるのが一番の目指すところ。普及促進は大切な部分。それと合わせて能力評価を受けて、それが職場改善につながるというところをしっかりやりたい。規準が作られていない職種も残っており、最近言われる多能工などにも対応していく。レベル別年収も公表しており、そこに道筋をつけていきたい」と先を見通す。

 基本問題小委員会の中間とりまとめで示された標準労務費や賃金の行き渡りなど「制度化しても中身がないと意味がないので、中身についてもしっかりと考えていかなければならない。中間とりまとめでもさまざまな留意点をいただいている。そこを対応しながら業界側とコミュニケーションをとりながら良いものを作り上げていきたい」と意欲的に語る。

 新たな職人基本計画はいくつもポイントがあるが、大きなものとしては「安全衛生経費の行き渡りにある。8月には経費の確認表を公表しており先行工種以外にも広げていきたい。確認も大事だが、経費が行き渡ることが一番の部分。いろいろな意見をいただきながら、安全衛生標準見積書を作っていく。安全が図られることが分からなければ、建設業への入職も難しい」と安全衛生経費の確保に対して重要性を説く。

 施策などを検討する際は「いろいろな人の思い、考え、状況などを聞き、その中で自分の思いを固めていく。行政だけが旗を振って業界が良くなるのではない。立場が違っても皆で同じ方向を見ていかなければ進んでいかない」との信条。

 学生時代は登山をやっていたが、ここ数年はご無沙汰。最近はドライブがてら〝まちあるき〟で東京近郊のまちを楽しんでいる。


【略歴】みやざわ まさとも

2001年東京大学法学部卒、国土交通省採用。都市局都市計画課課長補佐、外務省欧州連合日本政府代表部一等書記官、国交省総合政策局社会資本整備政策課社会資本整備戦略推進官、海事局外航課長を経て本年7月から現職。1978年11月29日生、長野県出身、神奈川県育ち

宮沢建設市場課長

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