常陸太田市は、新総合体育館建設を計画している。2024年度当初予算に3カ年継続費を設定し、上半期までに発注を行う予定。議会案件のため、6月または9月議会の議決を想定し議決後本契約を結び、着工となる。26年度までに工事を完了し、27年度の供用開始を見込む。23年度においては、安井建築設計事務所(千代田区)・柴建築設計事務所(水戸市)JVが実施設計を担当し、24年3月までにまとめる。
建設予定地である旧山吹運動公園市民体育館は、2023年4月より解体および運動広場照明塔撤去工事に着手し、8月末に完了している。
新体育館は、延べ床面積6912㎡。構造はSRC造2階建てとなる予定。メインアリーナ外装は、格子シェル構造の屋根を採用。格子梁により力を二方向に分散させることで低ライズ化が可能となる。構造設計方針では、1階をRC造(一部SRC造)、2階以上をS造としている。
柱は角形および円形鋼管、梁はH形鋼を主体とする。主体架構のコンクリート強度は、Fe24N/mm2程度以上を確保。架構形式については、1階が純ラーメン架構、2階は耐震ブレース付ラーメン架構(各方向)およびラーメン架構。基礎形式は、N値50程度以上の泥岩層を支持層とした独立基礎形式の杭基礎を採用する。
アリーナ内観は、黒色を基調とした壁や天井とし、ボールなどが見やすいものとなる。壁面は保護パッド張り、床は鋼製床下地タラフレックス仕上げとして、スポーツ競技への支障を防止する計画。照明については、トップレベルの競技に対応した設備を確保していく。
設備計画では、メインアリーナの空調を低風雨量単一ダクト置換空調方式とすることで、競技への影響や空調の負荷を軽減する。観客席については、床吹き出しによる居住域空調とする。また環境・省エネルギーの取り組みとして、トイレ洗浄水には雨水利用設備を採用。太陽光発電設備
も導入し、再生可能エネルギー利用による環境負荷の低減を図っていく計画だ。
施設周辺においては、駐車場545台(一般521台、多目的14台、バス10台)を整備する。
【建設予定地となる旧山吹運動公園跡地】