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【国土交通省就任インタビュー】建設業界を元気に/橋本雅道技術調査課長

2023/10/17 本社配信


 7月に就任した国土交通省大臣官房の橋本雅道技術調査課長は道路畑が長く、近畿地方整備局では企画部長も経験しており、「建設業全体をしっかりさせなければ、国の安心・安全はうまく行かない。まず、建設業界を元にしていきたい」と抱負。元気にするためには「DXのような新しい技術を活用して、元気にしていくお手伝いをしたい」。

 週休2日の質の向上に関しては「人材の獲得競争がある。他の産業との競争の中で建設業界に来てもらわなければならない。そこには、給与と休暇というものが大きな要素になっている。週休2日の取り組み、まずは、他産業などと同レベルにする必要がある」と指摘。そこで、「プライベートと仕事のバランスを取るために、計画的な休暇の取得が必要。週休2日は最低限、できれば土日の閉所を直轄工事では義務付けすることで、計画的に休暇が取れる環境を作っていきたい」と意欲を示す。

 賃上げに関して「一人当たりの労働の価値を高めることによって、技術者の賃金を上げていくことが不可欠」と前置きし、「少ない人数でより多くの出来高が上がるようなDXを含めた技術を開発し続けることによって、賃金を上げ続けるように持って行かざるを得ないのではないか」と見ている。省人化、無人化技術だけでなく、提出資料も減らせるものがあれば減らして効率性を高めたい考え。

 資材価格高騰への対応は「スライドをしっかりやるのは当然。単価の見直しも、可能な限り最新の単価を反映できるようにしたい」と話す。地方や民間にも「そういったムードに持っていきたい。大きな課題だが継続的に働きかけなければ」と決意を示した。

 自然災害への対応で、地域建設業の守り手としての大きな役割を評価。入札契約で言えば「緊急度合に応じて指名競争、随意契約により、早期復旧など必要なものに対応」。災害協定についても「何回も訓練することで、確実に運用できるシステムにしていくことも大事」だと言う。

 生産性向上に向けては10年、20年後を想定して進めねばならず「建設技術は、自動化されるようなことも想定した基準作りや、そう言った技術開発に資金が回るような仕組みを整えなければならない」と強く感じており、「DXなど強力に推し進めるべき」だと語る。

 仕事に対しては「笑う門には福来る」をモットーに取り組む。落ち込む時もあるが、できるだけ自分も、周囲も笑うことで、気持ちを上げていく。辛いところを乗り越えられると笑顔で語る。


【略歴】はしもと まさみち

1992年京都大学大学院工学研究科土木工学専攻修了、建設省採用。国土交通省道路局企画課長補佐、企画課道路経済調査室長、近畿地整企画部長、埼玉県副知事、国交省道路局高速道路課長を経て、本年7月より現職。1967年6月16日生、兵庫県出身。

橋本雅道技術調査課長

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