渋川市は、建て替えを計画している古巻公民館(八木原678)について、建設工事費を12月の補正予算に盛り込む方向で準備を進めている。工期を14カ月とし、2023年から26年の3カ年での債務負担行為に設定する方向で検討を行っている。
同公民館の実施設計は2022年度に神山設計(前橋市)がまとめており、建物構造をRC造2階建てとし、延べ床面積2500㎡程度としている。地元の代表者などとの建設検討委員会が19年から開かれており、地元からの要望として500席のホールほか、学習室120席、図書室、視聴覚室、和室、創作室、調理室などの設置があがっていた。新たなホールは移動式観覧席となる計画で、多目的ホールや災害時には避難所として活用する方針。また、発電設備として太陽光パネルも設置する方向で計画を進めている。20年度に委託した基本設計についても神山設計が担当した。
同公民館では長らく建て替え事業が計画されており、当初、24年度の供用開始を目指していたものの、既存の駐車場から基準値を超えるフッ素およびフッ素化合物が検出されたことから計画を変更。土壌汚染の要因として大同特殊鋼渋川工場(石原500)のスラグが見込まれ、22年度に土壌汚染状況調査を環境技研(高崎市)へ委託し、敷地全体4126・23㎡を対象に調査した。23年8月末で調査が終了し県へ報告。9月に県から土壌汚染対策法に基づく人の健康被害の恐れがない形質変更時要届出区域に指定された。これを受け、区域解除に向けた土壌除去費用についても、12月補正予算に盛り込むとしている。
駐車場の拡張も想定。敷地東側の利用が現在検討されている。整備には農用地区域からの除外申請や農地転用などの手続きが必要となる。
公民館建設については、敷地北側に位置する既存公民館を稼働しつつ、南側に新施設を建設、完成後に機能を移す。ただし、既存公民館の図書室に当たる部分が建て替え時に新施設と重なるため、先行して解体する計画となっている。
既存公民館は1988年に農業用研修施設として建設、後に公民館へ転用した。建物規模はS造平屋、床面積645・94㎡。老朽化や手狭になっているなどの課題に対応するため、建て替えを決定した。
古巻地区は人口増加が見込まれる地域でもあり、ユニバーサルデザインの追求や多様なイベントの開催、防災機能や住民票の発行などの行政サービス機能を持たせるなどといった施設を目指している。
公民館関連の建設事業では、20年度に子持公民館の別棟改修工事を行っている。建築・電気・機械の3分離とし、建築はA・B等級、機械と電気はA等級を対象とした。いずれも市内に本店を条件とする一般競争入札で公告した。