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世界最大級のメタネーション実証試験プラントが着工

2023/10/27 新潟建設新聞

 INPEXと大阪ガスは、長岡市内で世界最大級のメタネーション実証試験プラントの建設工事に着手した。越路原プラントで排出されるCO2や炭酸ガスなどを再エネ由来の水素などと合成し、メタンを生成。天然ガスとともに既存パイプラインでの供給を計画する。天然ガス製造で発生するCO2を活用することでカーボンニュートラルの実現を目指す。

 実証プラントは、長岡市来迎寺地内の越路原プラント近くの敷地約1万1500㎡に建設され、一般家庭約1万戸に相当する1時間当たり約400立方の合成メタンを生成する。2025年度中の運転開始を目指しており、設計・機材調達・建設工事・試運転役務については、メタネーション反応器パッケージをDaigasガスアンドパワーソリューション、造成および越路原プラントと接続する配管工事を植木組、その他プラントに係る設計・施工試験設備一式を千代田化工建設が担う。

 INPEXでは、17年度から長岡鉱場で、基盤技術開発を進めており、実用試験で大型化のための技術課題などを検証し、30年に1万立方、35年には6万立方へ拡大するほか、海外プロジェクトの事業化にもつなげる。

 24日には、建設地で起工式が執り行われ、INPEXおよび大阪ガスをはじめ施工関係者、地元関係者らが、工事の安全を祈願した。

 INPEXの滝本俊明常務は「クリーンエネルギーの安定供給は、使命であり、きっかけとしてメタネーションプラントが順調に稼働し、日本、世界に向けた天然ガスのカーボンニュートラル化を進めたい」とし、大阪ガスの後藤暢茂常務は、「ここがスタート。ガス業界は2030年にeメタン導入1%を目指しており、第一歩が動き出した万感の思い」と述べた。

 また地元長岡市の磯田達伸市長は「全国規模で貢献するメタネーション事業は、長岡として夢の実現である。市としても全面的に協力し、地場産業との連携もつくりたい」と期待を寄せる。

【メタネーション実証試験プラント完成イメージ、滝本常務と後藤常務、紺野常務】

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