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栃木県日光市

日光市新文化会館、初期費用50~55億円試算、2候補地を比較 建設費35億円

2023/10/30 栃木建設新聞

 日光市は27日、新文化会館建設候補地2カ所の初期費用を示した。建設費約35億3500万円、設計などの業務委託費約4億4800万円で、総額は今市文化会館跡地が造成費を含め約50億4000万円、七里地区は用地費や造成費で約55億8000万円と試算。市議会公共施設等あり方検討調査特別委員会で説明した。整備後50年間の経常経費は中規模改修約10億円、大規模改修約26億円を含め78億7400万円を想定した。RC造観客席800席、延べ床面積約4500平方mで算出した。

 新文化会館に加える複合機能の建設費は子育て支援や世界遺産ガイダンス機能を検討中。5億円程度を目安に検討していく。

 今市文化会館跡地は現在の敷地2万平方mを基準に算定。伐採・抜根、アスファルト撤去などの造成費や調整池、造園工事などの外構工事の費用は約5億5200万円。駐車台数は調査中。

 用地買収や平ヶ崎交差点からの進入路の整備は不要。ただ、現在の敷地を利用して道路と敷地が接する長さを延長する道路整備が必要とした。

 七里地区は市温泉保養センターが立地する市有地。必要な事業用地は3万1150平方m(建設用地2万8600平方m、新設進入路用地2550平方m)。買収面積は市有地を除く1万8930平方mで買収費は用地測量を含め約1億1200万円。

 外構や造成費は、伐採・抜根、調整池のほか、盛り土が必要となり約9億8300万円を想定。進入路は延長150m、全幅10・5m(2車線、片側歩道)を見込む。

 文化会館の統廃合では新文化会館の整備のほか、日光総合会館跡地活用事業を検討中。同事業の整備費は10億円を試算。新文化会館の候補地が七里地区の場合は整備費を計上しない考え。

 今市文化会館の敷地にある老朽化した中央公民館については、勤労青少年ホームを廃止したうえでイオン今市店への移転を想定。

 移転改修費用は概算2億1000万円、実施設計委託費は900万円。イオンと調整済みの賃借料、清掃管理などの委託料を含めた20年間の総額は、新施設整備より低いと試算。移転時期と改修費計上は25年を前提に長期財政見通しに反映させる。

 特別委員会で執行部は新文化会館の財政負担について整備地による大きな差はないと説明した。今後、今市文化会館と中央公民館の解体費用、中央公民館を建設した際の財源などを示す予定。特別委員会のほか、市は市民委員会を設置して検討を進めている。

 市が今年度末を目指していた新文化会館整備基本構想の策定は24年度にずれ込む見通し。基本計画、基本設計費は24年度補正予算に計上する予定。

 基本構想策定支援及び民間活力導入調査業務は八千代エンジニヤリング関東センターが担当している。

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