佐野市は国道50号沿線の市街化調整区域(植下町、約65ha)を地域未来投資促進法に基づく重点促進区域に設定し、民間主導の産業用地開発を促す。民間企業の開発提案を受け付け次第、市は土地利用調整計画書、事業者は地域経済牽引事業計画書を作成。事業計画書には①進出希望分野②付加価値創出額③経済波及効果-を明示。知事認可を経て農地転用許可の優遇措置が受けられる。
計画地は東北自動車道佐野藤岡ICから西方3・2㎞地点に位置。南側は国道50号が東西方向、北側は県道佐野環状線が東西方向、東側は市道1級1号線が南北方向に走り、西側は1級河川秋山川が南流する。南側が国道、北側が県道、東側が市道に接する。
全域が市街化調整区域であり、農振農用地区域の指定。市内7カ所の産業用地は完売し、企業側の業務拡張用地や新規進出ニーズに応え切れていない。市独自の産業用地創出には分譲開始までに相当期間を要し、法規制緩和による民間開発なら早期完成が見込める。
市は優良企業による自発的で自由な開発整備を後押しする方向に舵を切り、民間の旺盛な開発意欲を積極的に支援する。市が産業振興に寄与すると認めた場合、市と企業の連携による地元説明会や関係機関への申請手続きに一体的に取り組む方針。
3月24日に国の同意を取得。区域面積が65haと広大なため、部分的な開発でも可。一括開発を指向する場合は東西方向に公共下水道管が埋設されており、約35haと約30haに区域が2分される。5ha以上の開発行為は地区計画の策定が必須。
一帯は50数年前の圃場整備以来、都市基盤整備は当時のまま。事業化の際は一定程度の基盤整備が必要となる。これまで照会が寄せられたのは分譲目的の開発企業、進出希望企業の2種類が数社。企業側は情報を収集し、事業採算性を探っている段階。
県策定の基本計画では計画地を包含する約117・3haを重点促進区域に設定。市関連施策では国土利用計画市計画、市都市計画マスタープラン、佐野農業振興地域整備計画、市産業振興基本計画で農業との調整を図りつつ適正な土地利用の推進を掲げる。
周辺は良好なアクセス性を有し、区域内の公共施設は道路、電気、上下水道のインフラが完備。市内には一定規模以上の遊休地が存在せず、企業の良好な操業環境確保が極めて困難。このため農用地区域を含む土地利用を検討せざるを得ない状況。
地域未来投資促進法は、地域特性の活用による経済的効果に着目。用地買収や用地造成、施設建設は企業側の責任で実施。区域内の土地所有者は開発希望企業が現れない場合や事業計画が承認されない場合、現行土地の法令上の取り扱いに変更はない。