中部横断自動車道長野県区間のうち事業化されていない山梨県境~八千穂高原インターチェンジ(IC)間約28㎞について、県は具体的なルート案を明らかにした。全体の約半分をトンネル、約2割を橋梁で構成。最も長い(仮称)野辺山IC北側から杣添川までのトンネルは5㎞弱で計画している。
ルート案は10月27日から30日にかけて開催した説明会で公表した。都市計画道路の計画諸元は、南牧村の山梨県境を起点、佐久穂町の八千穂高原ICを終点とする延長約28㎞の自動車専用道路で、標準幅員は20.5m。地表式(盛土、切土)、嵩上式(高架)、地下式(トンネル)、掘割式で構成する。車線数は4車線、設計速度は時速80㎞。ICは南牧村野辺山、同村海ノ口、小海町豊里の3カ所に設置する。
ルート・構造については①千曲川左岸を基本②国道141号と並走③トンネル、橋梁が主な構造―を基本的な考え方として検討。野辺山IC周辺(標高約1400メートル)を最高点に、山梨県側と八千穂高原ICの両方向に下り、勾配は最も急な部分で4%とする。最大標高差は約500m。
野辺山ICはJR路線最高地点として知られる南牧村野辺山地区の北側に設置。国道141号と接続する。(仮称)海ノ口駅は南牧村海ノ口地区にある村立南牧北小学校の北西の方角の山中に設置。国道141号南牧中学校入口交差点から西に走る村道高見沢線と接続する。(仮称)小海ICは小海町豊里地区のJR松原湖駅の北西に設置。国道141号松原湖入口交差点と接続する。
未事業化区間については2018年に国土交通省長野国道事務所が1㎞幅のルート帯やICの概略位置を公表。今年7月には国がこれまで調査したルートを県に提供し、県が規模の妥当性等について確認した上で、今回ルート案として示した。
この後は、説明会や今後開催する公聴会での意見を踏まえ都市計画案を作成し、環境影響評価準備書と共に公表。県都市計画審議会で審議を経て都市計画決定(変更)となる。都市計画決定の時期は未定だが、直近の諏訪バイパスのケースでは都市計画案の閲覧から都市計画決定までに約2年を要している。