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栃木県野木町

不二家、野木工場を拡張、3.9haに建設、延べ2万3850平方m

2023/11/08 栃木建設新聞

 野木町は、野木工業団地西側の第1種農地(野木、3万9243平方m)を地域未来投資促進法に基づく重点促進区域に設定した。洋菓子メーカー「不二家」が製造工場を拡張する。不二家は農地を購入し、敷地面積3万6640平方mに延べ床面積2万3850平方m(建築面積1万2150平方m)の新工場を建設する。2031年12月までに他工場からの移管を終え、製造高120億円を目指す。

 計画地はJR宇都宮線野木駅から南方約2㎞、国道4号からは東方約1・5㎞、新4号国道からは西方約9㎞に位置。圏央道五霞ICには約20分でアクセスし、交通インフラが充実。町内の工業用地は完売し、進出企業の業務拡張ニーズに応じ切れていない。

 不二家(東京都文京区)は1910年に横浜市で創業し、113年を迎える老舗。69年に野木工業団地に進出し、野木工場で53年間にわたり洋菓子を製造する。全社的に生産分担の再構築を検討し、老朽化した工場の統合を視野に野木工場の拡大を計画した。

 事業計画によると、建設予定の建物は工場、事務所棟。県産イチゴを使用した商品を開発し、地域に貢献。全国各地の工場の菓子生産を集中移管する。町土地利用調整計画では拡張用地は不二家が操業する工場西側の道路を挟んだ市街化調整区域。

 町内に地域経済活性化に資する遊休地はなく、農用地区域を含む一帯の土地利用の同意を6月6日に県から取得。区域内は道路、電気、水道のインフラが整備され、下水道は浄化槽での処理が可能。大規模開発に伴う雨水排水処理施設は事業者が整備する。

 第8次総合計画キラリのぎプラン、国土利用計画町計画、町都市計画マスタープランでは既存の工業団地周辺を工業系土地利用誘導ゾーンに位置付けた。野木農業振興地域整備計画では地域開発構想の産業振興に貢献する優良企業誘致の例外規定を設けている。

 不二家は資本金182億8014万円、正社員約1360人。22年12月期の売上高は単体745億円、連結1006億円。各府県の工場は野木、埼玉、平塚、秦野(神奈川)、富士裾野(静岡)、泉佐野(大阪)、吉野ヶ里(佐賀)、札幌、山形に9カ所を展開する。

 地域未来投資促進法は、地域特性の活用による経済的効果に着目。用地買収や用地造成、施設建設は企業側の責任で実施。区域内の土地所有者は開発希望企業が現れない場合や事業計画が承認されない場合、現行土地の法令上の取り扱いに変更はない。

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