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千葉県九十九里町

来年度方向性定める/役場庁舎の建て替え推進/浅岡厚九十九里町長就任インタビュー

2023/11/09 日刊建設タイムズ

 8月27日投開票の九十九里町長選挙で初当選を果たした浅岡厚氏が6日、日刊建設タイムズの単独インタビューに応じた。災害時の拠点となる町役場庁舎について「耐震性が不足しており、バリアフリー化もされていない」と実状を話し「2024年度に建て替えなどの方向性を定め、28年度までの着工を目指し、着実に準備を進めていく」との方針を表明した。また、主要地方道飯岡一宮線の(仮称)新九十九里大橋を含むバイパス整備について、早期事業化に向けて県に強く要望していくとした。

 

 ――町への思いや印象は。

 

 浅岡 人口減少や少子高齢化の傾向に歯止めがかからず、過疎化が進行している。「九十九里」のブランド力をさらに高め、交流人口を増やすとともに、移住者や定住者の増加につなげていきたい。

 

 ――就任にあたっての抱負や展望など。

 

 浅岡 税収確保を第一とし、移住者や定住者の増加や産業の活性化など、数々の課題解決にスピード感を持って取り組む。産業の活性化に向けて産業用地の整備を進めたいが、まとまった敷地がないため、土地区画整理事業などにより低未利用地の集約化や基盤整備を検討する。

 

 ――過疎地域持続的発展計画に基づく町役場庁舎の建て替えは。

 

 浅岡 町役場庁舎は、災害時の拠点となる重要な施設だが、バリアフリー化されておらず、耐震性の不足や老朽化が著しい。町民の求める安全・安心な庁舎となるよう、24年度に建て替えなどの方向性を定め、28年度までの着工を目指す。

 

 ――地域活性化に向けたインフラ整備について。

 

 浅岡 成田国際空港の機能強化を踏まえ、成田方面への交通アクセスの向上など、地域活性化に寄与する主要地方道飯岡一宮線の(仮称)新九十九里大橋を含むバイパス整備について、早期事業化に向けて県への要望活動を実施する。

 

新たな避難タワー/3か所整備目指す

 

 ――公約に掲げた防災施設の強化は。

 

 浅岡 津波避難タワーは海の駅九十九里敷地内の1か所しかないため、片貝地区、豊海地区、作田地区への整備を検討していく。また、片貝漁港周辺の津波対策についても、県に要望していく。

 

 ――小中学校の規模適正化・適正配置について。

 

 浅岡 学校規模適正化・適正配置基本方針に基づき、九十九里小学校、片貝小学校、豊海小学校を統合し、新たな小学校を建設する。24年度に建設場所などの方針を定める予定。安全性の観点から、海や河川から離れている九十九里中学校敷地内が妥当と考えている。

 

 ――地域の建設業への期待は。

 

 浅岡 風水害発生時の最大戦力であり、協力や対応に感謝している。災害協定の締結を推進するとともに、企業の発展につながるよう育成に努めていきたい。

 

あさおか・あつし

 

 1960年8月28日生まれ。2011年9月、九十九里町議会議員選挙で初当選。3期にわたって町議会議員を務める。23年8月、九十九里町長選挙で初当選を果たした。趣味はゴルフ。好きな言葉は「為せば成る」。

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