県は、県土強靱化に取り組む。新たな県土強靱化計画を年度内に策定し、施策の展開を図る。県では防災インフラ施設の整備や、ライフラインの強化、地域の防災力強化などにより対応力の向上につなげる。県議会の代表質問において久保田松幸議員が県の所見を求めたもの。
自然災害への強靱化は人命保護を最優先とすることに加えて、社会の重要な機能の維持、県民の財産や公共施設への被害の最小化、迅速な復旧復興を図ることが重要となる。長崎幸太郎知事は「この基本目標に基づき、本県の脆弱性評価の結果や国の計画を踏まえた新たな県土強靱化計画を年度内に策定し、誰もが安心して暮らすことができる基盤づくりに資する施策を重層的に展開していく」と述べた。
県土強靱化について県では3つの柱で推進を図る。第1に、県民の生命と財産を守るため、河川やダム、砂防、治山などの防災インフラ施設の整備と、維持管理の充実強化を進める。具体的には河川の改修や浚渫をはじめとした流域治水対策といった事前防災対策を加速化させるとともに、富士山噴火時の火山防災対策をハード・ソフトの両面から実施し、逃げ遅れゼロを実現する。
第2として、経済発展の基盤となる交通エネルギーなどのライフラインを強化し、代替性を確保する。急峻な山々に囲まれたゆえの脆弱性を補完するため、災害にも強く、信頼性の強い道路ネットワークの整備を進めていく。また、太陽光発電などのエネルギーシステムの普及によって、エネルギーの効率的な利用と安定供給を図り、非常時でも途切れない経済活動を維持していく。
第3に、避難所での災害関連死を防ぐための環境整備や、過去の訓練や知識を住民に伝承実践する取り組みによって、地域の防災力を強化させる考えだ。
施策の展開に当たりこの3本柱に加え、住民との情報共有や被災者の救援救護に対し、ドローンやAIを活用するなど、デジタル技術による高度化を進めて、災害対応力の向上を図る。
長崎知事は「強靱化計画の実効性を高めるための明快な指標を設定し、進捗を把握しながら災害に強いふるさとをつくり上げていく」と答弁した。