袖ケ浦市は9日、旧平岡小学校幽谷分校の利活用に向けたサウンディング型市場調査の実施結果を公表した。調査においては、土地・建物の活用の実施主体となり得る法人または法人のグループを対象に参加者を募り、10月10~16日に対話を行った。参加した6事業者からは、生産工場などの建築、農業・養殖業、ドローン活用事業、障がい者福祉事業、インターナショナルスクールが提案された。今後は、調査で寄せられた意見・提案を参考に利活用の検討を進めていく。
利活用に当たっては、施設の購入または賃貸借のほか、いずれも可とする提案があった。賃貸借の場合、長期での使用を希望する事業者が多かった。
また、避難所・投票所機能の維持については、全ての事業者が協力できると回答した。
行政へ期待することして、ネーミングライツの許可、施設内の備品や修繕などの取り扱いの明確化、補助金などの情報の提供、就労支援事業所や地元企業とのマッチング、市内における使用されていない工場・倉庫の情報の提供が挙がった。
各活用アイデアの概要は▽生産工場などの建築=生産工場または倉庫の建築▽農業・養殖業=屋内水槽と浄化装置の設置による海産物の養殖事業や、アクアポニックス(水耕栽培と水産養殖)による循環型農業▽ドローン活用事業=ドローンスクール、災害状況調査や害獣駆除などの事業、eスポーツやドローンサッカー、体育館などの地域への貸し出し▽障がい者福祉事業=施設利用者の活動場所や作品の展示場所として教室や体育館を使用▽インターナショナルスクール=全寮制のインターナショナルスクールを開設――だった。
旧幽谷分校は、川原470の市有地1万156㎡に所在。市道川原井林線(幽谷通り)をはさんで、東側に校舎敷地5865㎡、西側に屋外運動場敷地4291㎡が位置している。市街化調整区域、建築基準法22条区域、洪水浸水想定区域に該当し、建蔽率60%、容積率200%。
建物などは▽教室棟=RC造2階建て、延べ床面積518㎡、1977年建築(耐震診断実施済み)▽特別教室棟=RC造2階建て、延べ床面積174㎡、2003年建築▽管理教室棟=RC造平屋、床面積190㎡、1971年建築▽管理教室棟=RC造平屋、床面積43㎡、81年建築▽屋内運動場=RC造2階建て、延べ床面積643㎡、88年建築▽プール=水面積180㎡、84年建築。
78年に、野里小学校附属川原井小学校として開校。児童数が減少し、特認校制度を導入するなどしてきたが、複式学級の解消が見込めないことから、4月1日をもって平岡小学校本校と統合した。