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環境配慮さらに手厚く/新客観点数見直し案を修正

2023/11/18 長野建設新聞

 16日に開かれた県契約審議会で、県は9月に公表した建設工事の入札参加資格審査項目の見直し案について、環境配慮の項目の加点をさらに手厚くする修正案を提案、了承された。適用は2025年度以降の次期定期審査からを予定している。

 見直しを行うのは経営事項審査の総合評定値と別に、県内本店企業に限り総合評定値の25%以内で加点する県独自の基準「新客観点数」の項目。現行、環境配慮項目の加点は10点。9月の見直し案では、現行の地域版環境プログラムの認証登録のほか、「事業活動温暖化対策計画書の策定(義務者を除く)」を加え、いずれかに該当する場合10点を加点するとしていた(経審でISO14001、エコアクション21が「有」の場合は対象外)。

 前回審議会で了承は得たが、委員からの「中小企業にとって取り組みの難易度が高い」「県として環境配慮に力を入れる中で、配点が変わらないままでよいのか」といった意見を踏まえ、今回、加点を拡大する修正案を提案した。

 具体的には「事業活動温暖化対策計画書の策定(義務者を除く)」に10点、「ISO14001、エコアクション21または地域版環境プログラムの認証登録」に7点―の最大17点を加点。ISOとエコアクションについては経審でも加点しているが、重複して評価する。

 県の入札参加資格取得者2340者のうち、環境配慮項目の申請者はエコアクション21が112者、地域版環境プログラムが74者で、全体の8%にとどまっている。加点拡大により、公的な環境認証の取得や事業活動温暖化対策計画書の策定にインセンティブが働き、環境への取り組みが促進される効果を見込んでいる。

 また「森林整備業務」と「製造の請負、物件の買入れ、その他の契約」の入札参加資格の見直し案についても、同様に環境配慮の項目を2本立てに修正し、加点を拡大する。森林整備業務では事業活動温暖化対策計画書の策定と公的な環境認証の取得に各10点、最大20点を加点(前回の見直し案では10点)。製造請負等では、各取り組み2点、最大4点を加点する(前回の見直し案では2点)。次期定期審査における各項目の審査基準日は24年10月1日で、加点を受けるためには期日までに対応する必要がある。

 今審議会では、森林整備業務における労働災害の項目(直近2年間に休業4日以上の労災:人数×マイナス10点、死亡はマイナス50点)について、内容や他項目とのバランスの観点で見直しが必要ではないかとの意見も出た。また県建設業協会会長の木下修委員は、建設工事の新客観点数の加点上限が経審評定値の25%となっていることについて「本来評価すべき以外の部分が大きすぎるのではないか」と提起した。

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