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山梨県富士吉田市

7・4%増の積極型/(仮)市民文科エリア実施設計などに1億余/当初予算を公表

2006/02/21 山梨建設新聞

 富士吉田市は、新年度当初予算案を公表した。一般会計は、190億6500万円で前年度より7・4%、金額にして13億1790万円増の積極型予算。このうち、普通建設事業費は31億5799万5000円。このほか、関係する特別会計として下水道事業に16億1641万4000円(同0・9%減)、大明見水道事業に4739万4000円(同74・2%減)を盛り込んでいる。主要事業として、概算事業費に30億円程度を見込む(仮)市民文化エリア整備事業の実施設計等に1億3945万7000円、新規で県施行の富士吉田河口湖バイパスに接続する新倉南線の測量・設計費に3600万円を計上したほか、今後の庁舎改築に向けて1億10万円の基金を積み立てるとともに、東別館の建て替えとも合わせPFI手法も含めた庁内での調査・検討費などを盛っている。

 同年度の建設関連予算は、(仮)市民文化エリア整備事業、市民体育施設管理事業、御獅外川家住宅整備活用事業、市コミュニティセンター管理運営事業、富士山憲章推進事業、企業立地促進事業、(仮)明見湖公園整備事業、特定地域まちづくり事業、新倉南線整備事業、沿道区画整理事業、準都市公園管理運営事業、浅間公園整備事業、木造住宅耐震改修事業、防災対策事業など。

 特別会計では、下水道事業の整備工事費に1億7225万円、大明見水道事業の工事費に929万5000円を予算化した。

 なお、同市議会の会期は来月1日から20日までの20日間の予定。

【(仮)市民文化エリア整備事業】=1億3945万7000円

 今年度に綜合建築設計事務所(甲府市住吉5丁目3-13)に委託し基本設計業務を進めている。新年度に実施設計を行い、19年度から工事に着手するスケジュール。同年度には周辺道路整備を含めた設計のほか、隣接地で使われなくなった看護婦寮を取り壊し駐車場としての整備も行う。同事業は、緑ケ丘2-5-23地内の現在、市民会館等がある敷地内で、市立図書館を含む市民会館を改築、あわせて富士五湖文化ホールの改修、駐車場、外構など敷地全体の整備を行ない、同エリアを市の生涯学習の拠点として整備するもの。改築にあたっては、敷地内の空きスペースに新たな建物を建設。新たな施設には従来の市民会館と図書館の機能を備えるとともに生涯学習機能強化等を図り、延床面積4890㎡を上限に規模等を詰める。約1016席の大ホールを備える文化ホールについては、既存建物の改修による施設内容の充実が主な内容。同事業に係る概算事業費には現時点で30億円程を見込んでいる。

【庁舎改築事業基金積立金】=1億10万円

 現在、水道局と教育委員会がある別敷地の東別館建て替えとも合わせ、PFI手法を含めた庁内での調査・検討を行っていく。新年度早期に委員会を設立し、同年度内に方向性を示す考えだ。検討にあたっては、あらゆる可能性を探っていくとしている。

【市民体育施設管理事業】=6172万5000円

 生涯スポーツの拠点施設である鐘山スポーツセンターの慢性的な駐車場不足に対応するため、体育館北側にあたる第2駐車場部分において隣接の民有地を取得、整備し増設するもの。新年度には、900万円の整備費と2473万円の用地取得費を予算化している。

【御獅外川家住宅整備活用事業】=1億220万1000円

 市指定文化財の同住宅が平成16年度に建物の寄贈を受け、次年度には敷地を取得した。新年度からは、2か年事業として建物の全体的な補修工事と進入路(立道)から始まる庭等の整備・修景や展示内容の構築等を実施し、公開に向けた整備事業を進める。

【コミュニティセンター管理運営事業】=1億7023万9000円

 上吉田コミュニティセンターのリニューアル工事として1億1600万円を計上、耐震補強工事を含めバリアフリーに対応した障害者用トイレ、エレベーター設置などの工事を行う。

【富士山憲章推進事業】=1825万9000円)

 吉田口登山道案内施設整備費として660万円を予算化、富士パインズパークの飛び地(289坪)を吉田登山道における麓の登山拠点として整備を図っていく。

【企業立地促進事業】=1億3023万円

 企業立地促進助成金交付の対象となったキューピーとシチズン電子の新工場(共に稼働を開始)に支援する。

【(仮)明見湖公園整備事業】=9088万3000円

 同湖周辺の自然環境を保全するとともに、人と自然とのふれあいの場の創出を目指し計画。新年度予算では、同年度7415万9000円、平成19年度2億5038万6000円の合わせて3億2454万5000円の継続費を設定した。市では今年度、公園内の体験工房施設新設設計を後藤設計(富士吉田市新倉2658-7)、公園整備実施設計を栄設計(東京都杉並区上荻3丁目24-13)にそれぞれ委託、平成17~18年度継続事業のトイレ工事に加え、平成18~19年度継続で体験学習施設工事費と公園整備費を計上した。現在、大方が水田となっている明見湖周辺の用地(1万7645㎡)を取得、湖など既存用地とあわせて約3万3500㎡のエリアに、現在の自然環境を残しながら、景観等にも配慮し、広場や植栽等の公園施設の整備を計画するもの。また、敷地内には体験学習や研修に利用でき展示コーナーなども備えた体験学習施設(約200㎡)を備える予定。このほか、水田を一部残して、農業体験等などの活用も検討している。

【特定地域まちづくり事業】=1億840万8000円)

 中央通り(139号月江寺駅入口から昭和通り市役所前交差点まで)の既存の歩道の拡充と歩道段差の解消等によりバリアフリー整備と、通勤・通学の経路として利用度の高い月江寺駅前の坂道に凍結防止策を講じることで、より安全な交通対策を行う。また、市道宮川池の端線ほか3路線を既存のアスファルト舗装から石畳の道として整備することで、新たな歩行空間の創出を行う。さらに、これまでの中心市街地には市民が集い交流することができる空間がないことから、今回の歩行空間整備と併せて公園整備を行うことで、街なかへの人々の誘導を図ることを目的とする。新年度には、道路整備にかかる実施設計費と用地買収費を予算化した。

【新倉南線整備事業】=3660万7000円

 県が計画する国道137号吉田河口湖バイパスに接続する延長1000mを拡幅整備するもので、パイロット測量設計(富士吉田市)に委託している概略設計が年度内に終わるのを待って、新年度には道路測量・用地設計を行い、平成19年度から23年度にかけて用地買収や移転補償を進めていくほか、同作業と合わせて20年度の工事着工と24年度の完成を目指していく方針。総事業費に約23億2000万円を見込んでいるが、対象地が市街地であるため、用地費や移転補償費の割合が多く、用地交渉事業のポイントとなるとしている。県施行部は富士吉田市新倉から富士河口湖町河口地内の延長3000m、幅員6・5m(全幅8・0m)区間。同区間の大半が2300mの(仮)新倉トンネル。新年度から平成24年度までの計画で総事業費に約91億円を見込んでおり、新年度のトンネル設計、用地調査、用地取得を経て、平成19年度には用地取得と道路改良工事に着手、平成20年度から同23年度には70億円を計画する道路改良工事とトンネル工事を進めていく予定。県土木部では今年度、同バイパスの概略設計をパシフィックコンサルタンツ(東京都)に1200万円で委託している。

 同市が施行する市道新倉南線については、竜ケ丘1丁目から旭3丁目までの延長1000mについて現在の幅員6・0mを12mに拡幅するもの。県のトンネル出口位置の確定を待ってルート設定を行う。

【沿道区画整理事業】=8億7172万1000円

 県が施行している都市計画街路中央通り線の事業区間のうち、市道大溝支線から間堀川までの間50mについて、公図と現況が一致しない状況があり、これを解消し街路事業の実施を図るため市施行の土地区画整理事業を今年度から実施している。同年度に減価補償金による先行買収を実施し、新年度には換地対象者に対する仮換地等の手続きを実施する予定。

【準都市公園管理運営事業】=2731万6000

 月江寺公園井戸掘削工事費等として1559万3000円を計上。同公園下段の池は、梅雨時等には自然に湧水が湧いているが、通常はポンプアップにより水源を確保している。しかし、水源の深度が浅い(50m)ため、生活雑排水による浸透があり、常に池の中に藻が発生し、異臭を放っていることから今回、深井戸を90mから100mにまで掘り下げ、きれいな湧水を確保し、併せてポンプアップした水を景観を考えた上で、滝が落ちるように設計を行う。

【浅間公園整備事業】=1億6747万9000円

 全体計画面積1万7390・67㎡の同公園について、平成17年度に用地買収・実施設計(パイロット測量設計)を行い、新年度には梅林(赤250本、白250本)、やまぶき(1500本)を植栽し、併せて既設トイレから東側にバリアフリー化を行い、四阿等で富士山や市内を一望できる位置で整備を行う。

【木造住宅耐震改修事業】=210万円

 個人を対象に耐震診断の結果、総合評点が0・7未満であった木造住宅を1・0以上となるよう改修を行うもので、60万円を上限に補助する。

【防災対策事業】=8940万2000円

 消防団専用無線機購入費として1200万円等を計上している。



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