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茨城県大洗町

1515万充て年内に通知/消防庁舎移転で発掘調査/大洗町補正案

2023/11/30 日本工業経済新聞(茨城版)

 大洗町は、第4回町議会に補正予算案(第5号)を上程する。主に、消防庁舎移転に係る埋蔵文化財発掘調査を、議決後速やかに通知し年内契約を目指している。同調査は、現在進めている消防庁舎移転場所の敷地の一部(約1000㎡)を調査するもの。補正案では1515万円を計上。2024年1月ごろの着手を想定しており、工期は約半年を見込む。24年度中の完了を目標に動きを進める方針だ。

 今後の流れとしては、24年度の当初予算に実施設計費の計上と同調査を繰越明許費に設定。25~26年度にかけて、造成工事や本体工事などを行い、27年度の竣工を目指す。庁舎建設地は大貫台(土地面積9000~1万5400㎡の想定)。

 同調査では、車庫棟と庁舎棟合わせて約2046㎡のうち、約1046㎡に関しては試掘調査などの結果により、遺跡がないことが判明しているため、約1000㎡のみを今回の委託費で発注する。

 新消防本部の庁舎棟では、消防長室をはじめとする約12室を計画。車庫については主に、消防・救助資機材庫を近接して設置。災害出動を安全かつ容易にできるよう前面道路と車庫との間に空き地スペースを設ける。緊急車両の位置を明確化するため区画線を引き、床は滑りにくい材質を使用して適宜水勾配なども計画している。消防署では、24室を整備。主に諸事務室では可動式書架を収納できるよう床の耐荷重を設計している。

 庁舎建設地となった大貫台では、町有地となっているため造成工事と合わせて雨水排水設備やインフラ整備が必要となっている。建設地として最高評価を得た主な理由としては、あらゆる災害の想定区域外であること。防災ヘリ等を含む他機関からの応援を受け入れ、消防職員等が十分に訓練できる敷地を有していること。また、町内各地へ迅速に到着できる場所であり、出動時などに近隣住民への騒音等の影響が少ないのが挙げられた。

 町は他に移転候補地として防災ふれあい公園(磯浜町)、旧大貫小学校跡地(大貫町)、JAEA旧夏海寮跡地(大貫町)の3カ所を示していた。

 現庁舎(磯浜町6881―191)は浸水区域に位置し、津波による被災もあった。1978年の建設で老朽化が進んでいるほか、職員数の増加により仮眠室などが手狭になっている状態。新施設では現施設よりも建物面積が大きくなるもよう。

 他、補正案としては急傾斜地対策検討業務委託費に1380万5000円、夏海地区農道災害復旧工事請負費に120万円などを盛り込んだ。2億2679万8000円を追加し、累計総額96億5960万9000円となる。

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