埼玉県測量設計業協会(及川修会長)は29日、公開講演会「3次元フォーラム2023」をさいたま商工会議所(さいたま市浦和区)で開いた。都市・地域を仮想空間上に再現する取り組みが全国でも先んじている静岡県デジタル戦略局から杉本直也参事を講師に招き、3次元点群データの取得、オープンデータ化が秘める多方面の可能性について知見を共有した。
約160人が参加・聴講。杉本参事は静岡が目指す、縮尺1分の1の仮想空間「VIRTUAL SHIZUOKA構想」を紹介し、災害対応や意思疎通などの強化に役立つ3D点群データの活用方法を説いた。
静岡では3年で約17億円を投じ、30TB規模のデータ取得が進む。「災害への備えがデータ化する最大の目的でもある」と伝え、2021年7月に熱海市で発生した大規模土砂災害の検証結果を3Dで示した。
続いて、県土整備部県土整備政策課建設DX推進担当の深井勝徳主幹が、埼玉の3D活用に向けた検討状況を報告した。
来賓の立石泰広県議会議長は「業界の取り組みを側面からサポートするのが議会の役割。講演の内容をしっかり勉強した上で支援に力を注ぎたい」と述べた。金子勉県土整備部長は「3Dは建設DXに欠かせない技術」と話し、講演を機に一段と施策推進する思いを伝えた。