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栃木市、西部の3校を統廃合、吹上中校舎に栃木北中開校

2023/11/30 栃木建設新聞

 栃木市教育委員会は、旧市西部地域の皆川、吹上、寺尾の3中学校を2026年4月に統廃合し「栃木北中学校」を開校する。当面は最も生徒数の多い吹上中校舎を活用し、将来的には新たな学校用地に新校舎を建設する。30年度に小中学校適正配置基本方針の見直しを計画しており、具体案を明示する見通し。

 市教委は児童生徒数の減少に伴う教育環境への影響を考慮し、市全域で小中学校の適正配置を進めている。児童生徒が義務教育課程の中で多様な考え方に触れ、切磋琢磨を通じ社会性や規範意識を養うには一定規模の集団の確保が不可欠となる。

 3中学校の生徒数は13年度から22年度までの10年間で464人から336人と約3割(128人)が減少。23年度の生徒数は皆川中70人、吹上中225人、寺尾中34人。生徒数の減少が続き、3校の小規模化に歯止めが掛からない状況。

 市が定める中学校の望ましい規模は1校当たり9学級以上18学級以下、必要な学級数は1校当たり6学級(3学年×2学級)。27年度の生徒数は皆川中60人、吹上中201人、寺尾中40人と推計。皆川中と寺尾中の2校は1校6学級基準に満たない。

 23年度は各種団体の代表で構成する統合準備会を設立した。学校跡地利用は市教委と市長部局で連携しつつ積極的な活用を検討する。皆川中の校舎は1986年、体育館は96年の建設。寺尾中の校舎は1989年、体育館は1968年の建設。

 3校を統合する吹上中の敷地は2万8636平方m(借地2274平方m)。校舎はRC造4階建て延べ5737・64平方で築42年、体育館はS造平屋建て延べ798・07平方mで築56年。校舎、体育館とも小破修繕にとどめ、大きな問題はない。

 皆川中の敷地は2万3523平方m。校舎はRC造3階建て延べ39743平方m、体育館はS造2階建て延べ1171平方m。寺尾中は敷地1万3456平方m。校舎はRC造3階建て延べ4959平方m、体育館はS造平屋建て延べ778平方m。

 皆川中は校舎が築37年、体育館が築27年、寺尾中は校舎が築34年、体育館が築55年。寺尾中の体育館が老朽化しているものの、その他の施設は継続利用に十分耐えられる。地元では地域産業やコミュニティ活性化に結び付く活用策を求めている。

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