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建設業労働災害防止協会千葉県支部

建設業 年末年始労働災害防止強調期間にあたって/建設業労働災害防止協会千葉県支部長 前田 泰弘

2023/12/01 日刊建設タイムズ

 建設業では、全国各地で発生している台風や豪雨などの自然災害からの復旧・復興工事や、国土強靭化を実現するためのインフラ整備等の工事を進めています。これから迎える年末年始は、2024年4月から実施される時間外労働の上限規制への対応を含めた働き方改革の推進、慢性的な技能労働者不足などの影響もあり、労働災害の発生リスクの高まりが懸念されます。

 例年通り、本年も年末年始労働災害防止強調期間を迎えることとなりました。

 千葉県内の建設業における死亡災害は、昨年は8件と一昨年に引き続き一桁台となりましたが、今年は10月31日時点で残念ながら昨年を上回る9件の発生を見ており、年末は何としても死亡災害0で本年を終了したいものと強く望むところです。

 本年の死亡災害9件の事故の型を見ますと、墜落・転落が5件、崩壊・倒壊、転倒、感電、交通事故が各1件で、墜落・転落が56%と過半数を超えております。死亡災害の減少・撲滅のためには、やはり墜落・転落災害の減少・撲滅を図ることが重要となっております。

 今年度からスタートしました国の第14時労働災害防止計画は、昨年の令和4年と比べて、計画期間である5年後の令和9年までに、建設業における死亡災害を15%以上減少させることを目標としています。千葉県の計画の目標達成には、年間の死亡災害を6件以内に収める必要がありますが、残念ながら初年度の今年は既にこの目標件数を超えてしまいましたが、年内のこれ以上の死亡災害発生は是非とも食い止めなければなりません。

 例年、労働災害が多発傾向にある年末年始に向けて、死亡災害の最多の原因である墜落・転落災害防止を最重点として取り組むことが求められています。

 また、メンタルヘルスを含めた労働者の健康確保対策も、併せて取り組むことが必要とされています。

 建災防千葉県支部は本年も「無事故の歳末、明るい正月」を合言葉に、建設現場における無事故・無災害を支部会員一丸となって目指します。

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