全国の測量設計会社で組織するNPO法人全国G空間情報技術研究会(碓井照子理事長)はこのほど、第18回全国大会を東京都江東区のタイム24ビルで開催した。新型コロナウイルス感染症の影響で4年ぶりとなった大会には、全国の代表者や技術者85人が参集し、測量業者として必須な最新技術とWeb地図の構築・活用方法などを学んだ。
技術セミナーは『3D計測』『3D設計』『WebGIS』の3つのテーマで開かれた。
講師は、3D計測をテクノシステムの清野浩二部長と技術委員会の阿部輝夫氏(東北支部)が務め、3D設計はみすず綜合コンサルタント副社長の高藤亨仁氏(関東中部支部)と福井コンピューターの高須健太郎ジュニアマネージャーが担当。WebGISの構築と活用は技術委員会の伊藤淳氏(東北支部)、マプコンの鈴木晴乃氏がそれぞれ指導した。
これまでオンラインで講習会を実施してきたが、対面方式となった今回は一層活発に質疑応答が行われ、各々が納得いくまで議論した。
碓井理事長は総括で、測量・地図づくりの最近の技術的変化と測量士がこのG空間(地理空間)情報技術を習得することの重要性について「特に国土地理院の藤村英範氏が開発したUNVT(国連ベクトルタイルツールキット)に取り組むためには、Web周辺技術の知識とサーバー関係の技術力が必要であり、これからの測量業者には、UNIXやWebMAP、WebGIS技術のレベルアップが求められる」と強調。「本日の技術セミナーはG空間情報時代における測量士にとって重要な技術を網羅しており、技術発表会として多大な成果が得られた」と高く評価した上で、「ロボット開発や自動運転技術の発展により、UAV点群作成だけでなくSLAMの技術も一般的になりつつある。SLAMを利用した測量も公共測量として認められた。技術革新の激動の時代、SLAMによる3次元空間の作成など常に新しい技術にチャレンジする必要がある」と今後の方向性を示唆した。
参加者からは「あっという間に時間が過ぎた。とても有意義だった」との感想が聞かれた。