国土強靱化実施中期基本計画策定の重要なポイントとなる施策、その実施状況評価のあり方に関する議論が本格化している。28日に開かれた国土強靱化推進会議では素案が示され、年明け1月16日の次回会議で重要業績評価指標(KPI)の望ましい設定などを位置付けた取りまとめを行う。現在の5か年加速化対策の残期間が少なくなっており、早期の次期計画策定に期待がかかる中、一歩を踏み出すことになる。
国土強靱化施策の実施状況評価については、脆弱性評価、国土強靱化基本計画、5か年加速化対策、年次計画で取り組んでいる。その中での課題や、関係省庁ヒアリングから抽出した課題認識と対応方針から、あり方をまとめる。論点は大きく▽インプット・アウトプット・アウトカムの把握▽国民の行動変容を促す理解醸成―の2つ。論点ごとに素案では方向性をまとめている。
インプットは予算の確保・執行状況で、予算管理を確実に行うとともに、施策グループや構成する施策ごとに予算を整理。国の支出額の総額と対策ごとの支出済額などを整理する。
アウトプットは施策の取り組み状況で、KPIを中心としたもの。事業特性を踏まえ、適切な母集団を対象に、地域特性を踏まえた設定を示した。国と地方での関連も考慮。さらに、長期目標と中期の重点目標を示す複数の指標を階層的に整理することで重点化の方針を明確にすることや、指標群としての統一性確保。人口減少や自然災害の激甚化・頻発化、技術革新などの変化も念頭に置くこと。施策ごとに毎年度の予算に対して一定の感度をもって設定することや、KPI数値は次年度予算編成などの参考にできるよう適切な時期までに設定するよう示した。
アウトカムは成果の発現状況についてで、関連施策との相乗効果の分析や平時インパクトの評価、残存リスクの分析などを挙げた。
5年ごとに見直される基本計画や実施中期計画策定を見据えた対応として、多様な社会経済指標を活用し国土強靱化施策との関連性を分析するなど、施策横断的なKPIの検討、時代とともに変化する国土強靱化のあり方を追及。当面の評価は施策群の進捗率をひとつのKPIとして試行的に設定することなどとした。