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長野県松本市

18年予算/一般会計812億は1・2%減/本庁舎耐震設計や弓道場

2006/02/21 長野建設新聞

 松本市は20日、平成18年度当初予算案の概要を明らかにした。これによると、市長公約の「新たなる松本のまちづくり」の実現に向け、3Kプラン(健康づくり、危機管理、子育て支援)を再重点課題として事業を厳選した予算編成としている。

 一般会計は前年度当初比10億2420万円、率で1・2%減となる総額812億3000万円。17の特別会計は総額572億6490万円(前年度当初比3・5%増)、企業会計(4会計)は総額196億1517万円(同比3%減)で編成され、全会計の総額は1581億1007万円(同比0・2%増)でまとまった。

 新たなまちづくりに掲げられた10項目への取り組みとしては、新規事業の82件に15億3308万円を、3Kプランでは、57件の新規事業に着手するとして11億7572万円を計上している。

 また、合併4地区への主要事業としては、全体で83件(四賀22件、安曇19件、奈川16件、梓川26件)に30億2220万円を予算化してとしている。

 10のまちづくりに項目に従って新規事業を中心に見てみる。

【安全で安心なまち】

 河川や水路などの水害防止に向けた整備(26箇所)に1億2622万円を盛ったほか、入山辺消防団第18分断詰所改築(S造2F延べ100㎡)に2039万円の工事費を計上している。また耐震関係では、市役所本庁舎耐震補強工事の設計(基本、実施)に2399万円、安曇支所と梓川支所庁舎耐震診断に918万円、四賀地区4小学校の耐震診断に2053万円を充てる考え。

【安心して生きることができるまち】

 各地区に整備してきた福祉ひろばは寿台で建設する計画で、設計および工事費に5363万円を設定。このほか、本郷地区における保育園、福祉ひろばおよび子育て支援センターの複合施設(南郷コミュニティ施設)実施設計に910万円、移転改築の寿児童センター実施設計に462万円を予算化した。旭町と桐の合併保育園建設にからんでの桐保育園の隣地(旧県児童相談所跡地)取得費(7920万円)や、合併4地区における福祉ひろば事業を開始するとして2360万円も計上している。

【生きがいを感じるまち】

 島立、芳川および梓川のデイサービスセンター増築工事に2412万円を新規に計上した。

【活気ある町】

 和田西原住宅団地の公園造成や下水道舗装復旧、集会場建設(負担金)など関連事業費に1億1560万円を見込んでいる。3Kプランでは、トライあい松本の耐震診断・補強実施設計費(331万円)などの費用を組んでいる。

【観光に磨きをかけるまち】

 乗鞍高原や上高地の登山道等緊急対応(400万円)、道の駅「風穴の里」トイレ増設(4674万円)、広域農道等における統一的な案内サイン設置(1050万円)などの費用を予算対応している。

【童謡唱歌が似合うまち】

 新規には芳川公民館へのエレベーター設置(710万円)などで、継続の松本駅自由通路・駅舎整備(エレベーター、エスカレーター設置)には22億4836万円、同様に平田駅(エレベーター設置)には8億6803万円の工事費を見込んでいる。

 さらに、足元工事として1億円を加算した市道および橋梁維持補修には5億7700万円、松本駅西口の広場・道路整備に6億5844万円、幹線道路等の整備と渋滞対策(68路線)に25億6464万円を盛り込んでいる。

【国際交流のまち】

 県宝「旧司祭館」保存修理工事に1673万円、市重文「高橋家住宅」復元実施設計に300万円を新たな事業着手として費用を組んだ。来年のオープンを目指す「松本市歴史の里」と「アルプス山岳館」の整備にはそれぞれ1億8021万円、2億4224万円の工事費を設定。

【生涯学習のまち】

 学校関係では、筑摩野中学校増築の実施設計(433万円)、梓川小学校トイレ環境整備工事(2941万円)、第2給食センター調理室拡張工事(917万円)が新規事業。信明中学校の6教室および職員室等の増築には1億1629万円、ともに高学年棟の大規模改造に取り組む山辺小学校には3億7825万円、鎌田小学校には3億6654万円の工事費を投入する。

 新弓道場建設には実施設計費1170万円を計上するとともに、工事費4億8242万円は債務負担で対応する。近的12人立、遠的5人立で、射場棟がS造2F延べ1100㎡、的場・矢取道棟がS造平屋延べ356㎡規模。

 松本市野球場の人工芝張替(A3443㎡)工事費1億209万円、浅間温泉庭球場のクレーコート(6面)の人工芝への改修工事費5508万円も組み込まれている。

【環境と調和、自然と共生するまち】

 アルプス公園整備は古民家風体験施設、園路、山岳館前広場などを整備するとして2億9520万円を計上。新規では平田新駅パークアンドライド駐車場実施設計費278万円を盛っている。

【活力みなぎるまち】

 直接的な建設関連事業費はない。

●上水道6・0%

●下水0・3%減

 主な特別・企業会計は、霊園事業が総額7億6687万円で前年度の3倍以上。中山霊園第3次造成のための用地費5億941万円が大きな要因。同事業については設計など委託費に2238万円も計上。同霊園整備補修(園路舗装、トイレ改修)には2855万円の工事費を見込む。

 地域排水施設事業は前年度当初比10・3%減となる総額1億3976万円。38基を予定する合併浄化槽設置工事に6080万円を盛っている。

 水道事業会計では、新規として小室浄水場自家発電設備設置工事費2500万円、四賀地区の配水流量計設置工事費3740万円、市道5826~5357号線配水管新設工事委託費3200万円を予算化している。第6次配水管改良関係では、補助の老朽鋳鉄管布設替L1747mに1億262万円を投入する。予算額は前年度当初と比べ6%マイナスとなる69億317万円。

 一方、下水道事業会計は、前年度当初と比べほぼ横ばい(0・3%減)となる総額118億8457万円の編成。新規に宮渕浄化センター低段基本設計費1400万円、上高地処理場実施設計費800万円を組み入れている。道路などによる管渠改良には1億2820万円を、老朽下水道管更生(L1050m)には1億円を工事費として盛り、流域関連の特環公共下水道汚水渠建設費(L3792m)は単独分(L1697m)も合わせて5億9400万円を数える。



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