県は現在審議中の11月補正予算案と別に、国の補正予算に対応した補正予算案を編成し、5日に概要を発表した。定例議会の会期内に追加提案する。補助公共事業費428億7800万円や直轄事業負担金46億6000万円を計上している。
補助公共事業費の大半は「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の4年目となる2024年度分予算。可決後は早期発注に努めていくとみられ、発注や施工時期の平準化の効果が期待される。事業区分別にみると道路・河川の老朽化対策や道路ネットワークの強化、流域治水対策、防災公園の機能確保、治山施設整備、ため池耐震化といった「防災・減災対策」に398億3980万円。歩道整備など「通学路の交通安全対策等」に10億5064万円。リニア中央新幹線開業を見据えたアクセス道路整備、林道路網整備、間伐、農地農業用施設整備など「産業基盤整備」に19億8795万円。
部局別の内訳は建設部382億8490万円、林務部13億9840万円、農政部31億9510万円。別に限度額14億3079万円の債務負担行為も設定する。
直轄事業負担金の区分別内訳は防災・減災対策が28億7058万円、災害関連が17億9033万円。
■小諸養護校トイレ改修へ3200万円
その他の事業では小諸養護学校(小諸市市)のトイレ改修工事に3228万円(工事監理費を含む)。平屋建ての小学部棟内に横並びである男女トイレにおいて、多目的トイレの増設、乾式化、照明LED化を行う。設計は東浜設計(小諸市)。予算可決後、速やかに入札公告し、できる限り早期の工事完了を目指す。入札契約手続きは小諸養護学校が行う。
自然公園施設整備事業には2644万円。このうち自然公園施設等整備事業に2059万円を確保し、中部山岳国立公園島々明神線と河童橋明神池線の歩道を修繕する。また、市町村による国定公園の歩道等整備への補助金として585万円。
新規事業の「性被害防止のための設備等導入支援事業補助金」は、保育施設等における子どもの性被害を防止するため、プライバシー保護に必要なパーテーション、カメラ等の設備設置経費を助成するもの。対象施設は私立幼稚園、認可外保育施設、児童養護施設、障害児入所施設、障害児通所支援事業所等。予算額は2895万円で、補助基準額は1施設当たり10万円。
このほか市町村等が行う水道施設の耐震化に対する補助金2億8863万円、社会福祉法人等による障がい者福祉施設耐震化等整備への補助金3061万円、市町村が実施する地籍調査事業への補助金5826万円、農業法人による米粉製品製造施設、加工機械設備整備への補助金3億400万円、民間事業者などによる県産木材の製材・加工・流通施設整備への補助金2億5181万円。
一般会計の補正額は489億8324万円。補正後の総額は1兆1361億9492万円で、前年同期比2.8%減となる。予算案を審議する定例議会の会期は今月15日まで。