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女性が活躍できる職場環境に改善/建設業の働き方改革/イトウ・アット・ホーム(甲斐市)

2023/12/13 山梨建設新聞

 イトウ・アット・ホーム(甲斐市)では、働きやすい職場環境づくりにおいて総務部で7点の取り組みを発見し推進している。

①毎週2日ノー残業デーの導入。

②テレワーク、短時間勤務制度、夏時間・冬時間を設けるなど、健康な生活に配慮したフレキシブルな勤務時間の設定。

③60歳以上に年齢を限定した求人。

④社長、先輩社員との相談会の実施。

⑤社長を講師とした「イトウ塾」を定期的に開催、傾聴力やプレゼンテーションを訓練。

⑥公的機関等外部研修への積極的参加を支援。

⑦人材育成として自己学習制度を勤務時間内に導入し、資格取得を積極的に支援。実際に資格を取得し、仕事へ積極的に活用している。―を主に進めている。

 同社では会社全体での意思疎通が取れず、社内の事をお互いに分かっている「はず・つもり・だろう」等と思い込み、理解ができていなかった。そのため、重なるミスが発生したりと生産性が悪く、ムダな時間外労働が増加してしまっていたという。また、有給休暇の取得率も低く、社員にも余裕がなかった。

 同社の特徴として、建設業でありながら女性従業員が主体になっているが、制度が充実しておらず育児・介護のため人の目を気にしながら早退・遅刻をせざるを得ないという状況にあった場合もあった。

 2022年度における同社の月平均時間外労働時間は31時間。年平均有給休暇取得率は10%。

 取り組みの効果として「YAMANASHIワーキングスタイルアワード」の奨励賞受賞を励みに、「スケールで測れる距離」という具体的な数値目標値を策定し、イトウ@ホームの働き方4項目を積極的に取り入れ、社員が相談できる機会を整えた。社員の相談内容は大・小問わず、どんな話も聞き入れることで未来に繋げた。

 その結果、月平均残業時間が大幅にダウンし、密度も濃く作業効率が上がった。さらに、有給休暇を取得しやすい職場環境づくりを行い、取得率が上がった事で社員の士気も高まり、余裕も生まれたという。

 イトウ@ホームの問題点をあぶり出し、全員の意見を聞き、就業規則の育児や介護休業規程を見直した事で、育児や介護がしやすい職場環境に改善された。

 23年度の月平均時間外労働時間は9・4時間。年平均有給休暇取得率は40%にまで達した。

 大手の会社は社名がブランドになるが、小さい会社は社員の念いがブランドになる。

 6月には男女共同参画の推進に積極的に取り組んだ企業として、県から表彰を受けた。この表彰を励みに今後は更に、魅力ある職場環境づくりに邁進したいと意欲を示す。

 働き方改革に関連し、全社員に向け今後は以下の新たな取り組みの導入も予定している。

◇有給取得促進月間、年2回設定。

◇社内就業規則として上記を社内に掲示。

◇年1回従業員の遠方への実家帰省による旅費を負担。

◇6月~9月猛暑に元請だから可能な三方良しの建築現場の週休二日制を実施。

 また、今年はスタッフが子育て支援員の資格を取得。従業員の子どもが休みの日は一緒に通勤可能など、育児負担の軽減も検討している。

【イトウ@ホームの経営理念】

①家族参加型家づくり 

②信頼できる工務店

③地域・社会に貢献する

 同社ではこの3つの理念から経営を行っている。

【イトウ@ホームの業務内容】

◇建築設計・監理・施工・建物と他解体

・デザイン住宅、倉庫・お客様のニーズに合わせたリノベ・マンションリノベ・外構、門と塀、エクステリア

・木造住宅の耐震・介護リフォーム・ビル・社屋・店舗・工場・オフィス・商業施設・別荘・企業保養所・工場・コンテナハウス・古民家・各種補助金の活用等

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