新潟労働局、北陸地方整備局、新潟県は13日、建設業者向けの賃上げ・価格転嫁円滑化等に関するオンラインセミナーを開催した。賃金の引き上げや適正な価格転嫁による処遇改善、担い手の確保に各機関での取り組みや支援策などが解説され、およそ100人が視聴した。
新潟労働局の西岡邦昭局長は、「政府を挙げて関係機関が連携しながら適正取引に向けた環境整備や支援を行っている。賃金引き上げなどの処遇改善、適正な価格転嫁は働き手や地域産業を守り、建設業のプライドを守るためにも全体で取り組む必要がある」とし、北陸地整の遠藤仁彦局長は「個々の仕事で適正利潤をしっかり確保するとともに、元請けのみならず、下請けにも届く取り組みが重要。賃金引き上げや処遇の改善が業界全体に広がる好影響のスパイラルを回していきたい」と述べた。
セミナーでは、新潟労働局が下請け取引適正化に係る取り組みや賃金引き上げの助成金について活用事例や申請方法、受給条件などを解説。また、北陸地整は資材価格高騰に対応したスライド条項の活用や最新単価の設定、建設キャリアアップシステムなど、発注者での価格転嫁への取り組みを説明した。国の動向や北陸地整の取り組みを紹介した建政部の多田英明部長は「個々の契約で、受発注者、元下間で、誠実に協議を行い、不透明な部分を明らかにしていくことが重要」とする。
また、新潟県が行った原材料価格高騰に関する緊急調査によると、およそ9割の企業が収益を「圧迫」または「やや圧迫」していると回答。仕入れ価格の上昇分を価格転嫁できた割合は5割程度とする回答が最も多く、適正取引や企業支援に国や県で設置されている相談窓口の活用を促した。
【写真=法陸地整の取り組みを紹介する多田部長】