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栃木県農地整備課

県農地整備課、農業農村整備5地区が25年度以降、24年度採択で3地区

2023/12/20 栃木建設新聞

 県農地整備課は19日、とちぎの農業農村整備事業における営農構想(営農ビジョン)発表会を県庁で開いた。採択を予定する2024年度3地区、25年度以降の5地区の概要や基盤整備を通じた営農計画を発表。24年度は里西・星の宮(益子町)、倉骨(大田原市)、百頭・県(足利市)。25年度以降には上郷1(上三川町)、轟(日光市)、小野口(栃木市)、安塚・上長田(壬生町)、下川井(那須烏山市)を見込んでいる。

 里西・星の宮地区は農業競争力強化農地整備事業を導入。面積は26haで畑12ha、田14haの内訳。戸数は53戸。事業費が8億2400万円、事業期間は24~30年度を予定。土地改良区は益子町土地改良区。担い手は農事組合法人星宮組合と民間法人すずき農園に農地を100%集積する。

 倉骨地区は整地工45・6ha。農地は大区画化を推進し、1ha以上が47%、50㌃区画を34%まで高める。付帯工事では道路工6・6㎞の幹線軸に幅員6mを導入するほか、水利施設では用水路工4・7㎞、排水路工6㎞を整備。事業費が12億5200万円。推進組織は倉骨地区圃場整備事業推進協議会で、土地改良区が大田原市土地改良区。生産コスト低減と耕畜連携で魅力的な農業を目指す。

 百頭・県地区は農地中間管理機構関連農地整備事業を導入。区画整理は64・1ha、事業費に19億7700万円を投入する。戸数は161戸で、推進組織が百頭・県地区圃場整備事業推進委員会。土地改良区は三栗谷用水土地改良区。農作業の効率化と高収益作物を導入し、地域農業の発展を目指す。

 計画地区の上郷1は区画が小さく道路が狭いうえに水路の老朽化も進行。課題は稼げる農業の実現と担い手確保・育成。基盤整備の強みは平坦な農地や鬼怒川の豊富な水資源に加え、農事組合法人による高い集積率。

 轟地区は農業者の高齢化と担い手不足に加え、区画・農道・水路が未整備。課題は地域農業の担い手育成と稼げる農業への実現。強みは営農組合がサツマイモの作付けを開始したほか、歴史と豊かな自然に育まれ地域のまとまりも強い。国道と県道に面したアクセス性も良好。

 小野口地区は用水の確保が困難な未整備地域。耕作者の高齢化による担い手不足。課題は営農環境の整備と担い手の育成。今後は集落営農法人と多面的機能支払い組織を設立する。

 安塚・上長田地区は道路・水路・圃場が未整備。水源の姿川の取水堰が老朽化し用水量が安定しない。農家の高齢化が進み離農による耕作放棄地が散見される。

 課題は担い手の育成と農地集積・集約化。米と野菜などを組み合わせた儲かる農業の実現。次世代に継承する農業環境を整備する。強みはおもちゃ団地、独協医大、コストコ、北関東道壬生ICに隣接し人流が多いため、企業などとのコラボや野菜直売所の活用を挙げた。

 下川井地区は昭和30年代に整備した10㌃程度の小区画で道路も狭小。水路は用排水兼用の土水路で水管理に支障が多く、圃場の排水性も悪い。課題は高収益作物への転換と次世代の担い手育成。強みは園芸作物に適した厚い耕土と栽培技術の高い農家が集積している。

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