県森林整備課は、１２月補正予算で治山事業１４カ所を実施する。事業費は７億３１００万円（国庫債務負担行為含む）。復旧治山の大岩沢（日光市足尾町）で山腹工、保安林総合改良の曲畑（同中小来川）で森林整備に着手。長安寺（鹿沼市引田）は事業を復旧治山に振り替えて山腹工の測量設計を進める。継続箇所は小薙左沢第１支渓（日光市中宮祠）、沢口入沢（鹿沼市板荷）、加戸沢（同中粕尾）、明ばん沢（那須町湯本）など。復旧治山以外は緊急予防治山の中界地（日光市東小来川）、保安林総合改良の黄金沢（鹿沼市上久我）に取り組む。

　国の補正予算を活用し、激甚化する災害を踏まえた防災・減災対策として特に緊急性の高いエリアを対象に流木や土石流、山腹崩壊の発生を抑制する治山施設や保安林の整備を推進する。

　国補正予算分は鹿沼市４カ所、日光市４カ所、那須塩原市１カ所の計９カ所３億５６００万円。国庫債務負担分（ゼロ国）は日光市３カ所、佐野市１カ所、那須町１カ所の計５カ所３億７５００万円。工事は年度内発注を目指している。

　補正分の復旧治山は沢口入沢、加戸沢、長安寺、蛇籠（日光市滝ヶ原）、大岩沢、護安沢（那須塩原市百村）。

　沢口入沢、加戸沢、護安沢の３カ所は谷止工を２基ずつ、蛇籠は谷止工１基を計画。事業期間は沢口入沢が２０２４年度、加戸沢が２５年度、護安沢が２５年度、蛇籠が２３年度を予定している。

　山腹工を設計する長安寺は１９年災の箇所。緊急総合治山事業から復旧治山事業に変更し、２７年度まで実施する計画。全体事業費は１億６０００万円。

　大岩沢は補正予算を充て山腹工０・０９ｈａを計画。法枠工に着手する。事業期間は２５年度まで、全体事業費は１億５０００万円。

　緊急予防治山の中界地は山腹工０・１ｈａ。ロープ伏工を施工する。保安林総合改良の曲畑は森林整備７・５９ｈａ。森林調整伐で土砂流出防止機能を向上させる。中界地、曲畑は今年度に事業を完了させる予定。

　雪害復旧の黄金沢は１・４ｈａの森林整備。折れたり曲がったりした危険木を除去して改植。防鹿柵も設置する。１６年度から実施しており今年度に事業を完了させる。

　発注平準化を図るゼロ国工事は復旧治山５カ所。対象は小薙左沢第１支渓、明ばん沢のほか、小柴沢（佐野市飛駒町）、三本松（日光市中宮祠）、前沢（同湯西川）。

　小薙左沢第１支渓は谷止工１基、小柴沢は谷止工３基、三本松は谷止工２基を施工する計画。

　前沢は山腹工０・０６ｈａ。落石対策として格子状のロープ伏工を実施。明ばん沢は山腹工０・１５ｈａ。木柵工を主体とした施工。雨水による斜面浸食を防ぐ丸太筋工も併せて施工する。

　事業期間は小薙左沢第１支渓、明ばん沢、小柴沢が２４年度まで、三本松、前沢は２９年度を予定している。