国土交通省は28日、JR東海に対して品川・名古屋間のリニア中央新幹線工事実施計画変更について認可した。工事完了予定時期は静岡県区間の関係もあり、2027年から27年以降に変更している。工事予算は当初計画分から1兆5247億円増額し、総工事費7兆482億円とした。これにより開業に必要な工事実施計画に関する全ての事項が認可された。
認可書は村田茂樹鉄道局長が、丹羽俊介社長へと手渡した。村田局長は「これにより全ての区間の工事実施計画が認可されたことになる。静岡工区のトンネル掘削工事にいまだ着手のメドが立たない状況であり、引き続き大井川の水資源や環境保全に関する有識者会議で整理した報告書を踏まえ、静岡県や関係市町と向き合い、理解と協力を得られるよう尽力いただき、品川~名古屋間の一日も早い開業に向けて取り組んでほしい」と要請した。
丹羽社長は「沿線の関係者をはじめ、大変多くの方から期待の声をいただいている。引き続き早期開業に向け全力で取り組んでいく。また、南アルプストンネルの静岡工区についても、引き続き着工に向け、双方向のコミュニケーションを進めていく」と話した。
主な変更内容は次のとおり。
▽駅設備の追加=駅建物やエレベータ、エスカレータ、乗降装置等を追加
▽車両基地設備の追加=車庫施設、検査修繕施設を追加
▽工事完了予定時期の変更=既認可・27年、変更後・27年以降
▽工事予算の変更=当初計画分からの増額1兆5247億円(ターミナル駅における難工事への対応、地震対策の追加、発生土活用先の確保など)
▽その他の変更=①線路の位置の変更(山梨県駅ホームの位置を変更することにより線路平面図等を変更)②工事方法(変電所・送電線)の変更(設計の深度化による品川・名古屋駅の変電所の電気回路変更など)