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栃木県鹿沼土木事務所

県鹿沼土木事務所 思川深程工区(栃木市本城~鹿沼市深程)4・6㎞の改修

2024/01/11 栃木建設新聞

 県鹿沼土木事務所は、1級河川思川深程工区(栃木市本城~鹿沼市深程)4・6㎞の改修事業で、改築する松原堰は3連鋼製自動転倒堰、支川の1級河川宮入川の2橋梁は単純PCプレテンション方式で架け替える。思川改修は今月末を目途に用地調査をまとめ、2月には物件調査を発注。2024年度の用地補償や河床掘削工事に備えていく。

 松原堰は改修区間上流端に位置し、直上流の取水樋門とともに改築する。取水樋門の規格は幅2300×高さ1200で管長が16m。基礎が直接基礎の引き上げ式ローラーゲート。詳細設計をオリエンタル技術開発が担当。

 松原堰の型式は鋼製横主桁形起伏ゲート。堰本体は幅61・6m、ゲート高2m。ゲート幅は左岸から19・7m、19・4m、19・7mの3門。左岸側に幅1・2mの魚道を設置する。

 堰の水密方式は前面3方ゴム水密、起伏方式が背面支持油圧シリンダー方式。基礎は場所打ち杭φ1000。詳細設計は三協技術が手掛けた。

 改築する排水樋門は4基。下流側から3基は左岸、松原堰上流部は右岸に設置。4基の基礎は直接基礎、ゲート形式はバランスウェイト式フラップゲート。

 規格は下流から幅2700×高さ1200で管長17・6m。中央部が幅1300×高さ1000の管長8・6m。上流側は幅2000×高さ1500で管長が28・5m。右岸の樋門は幅3200×高さ1100mで管長18m。

 詳細設計はダイミック、ピーシーレールウェイコンサルタント、富貴沢建設コンサルタンツ、大日本ダイヤコンサルタントが担当。

 宮入川は下流側から市道橋の深程橋と中島橋を架け替える。深程橋の橋長は23・4m、幅員6・2m。下部工は直接基礎逆T式橋台2基。上部形式は単純PCプレテンション方式床版桁。詳細設計を新日本建設コンサルタンツが担当。

 中島橋は橋長20m、幅員6・2m。下部工が場所打ち杭φ1000の逆T式橋台2基。上部形式は単純PCプレテンション方式床版桁。詳細設計は富士コンサルタンツが担当した。

 深程工区の改修区間は本川の思川が東北自動車道~松原堰上流まで4㎞、右支川の宮入川が思川合流部~中島橋上流まで0・6㎞。狭さく部の堤防を引き堤し河道を拡幅。水衝部の右左岸の堤防を嵩上げして1級河川大芦川合流部下流で土砂が堆積する清洲橋までの河道を掘削。宮入川は堤防を嵩上げする。

 計画流量は19年東日本台風と同規模の洪水でも溢れない計画とし、50年に1度の氾濫被害を防除する。計画流量は松原堰から大芦川合流部まで0・7㎞を毎秒1000立方m。合流後の3・3㎞を毎秒2100立方mに対応した改修を進めていく。

 現在は半分程度の流下能力しかなく、標準断面で70~280mに拡大。堤防高不足箇所を嵩上げするほか、山付き河岸は現況を維持する。計画河床勾配は250分の1。付帯工事では橋梁架け替えや堰・樋門の改築など必要性を全体計画で検討してきた。全体計画は三協技術が担当した。

 調査設計の着手は21年度。補正予算で2億円を配分し、護岸を含む河道設計を宇都宮測量、東洋測量設計、晃洋設計測量、栃木県用地補償コンサルタント、ニッコーが担当。地質調査は第一測工、フジタ地質、アーステック、須田地下工機が担当した。

 22年度には排水樋門、松原堰、取水樋門、宮入川の2橋の詳細設計を委託している。

 思川は下流の栃木土木事務所管内で改修を進めているほか、鹿沼土木管内では深程工区の上流で東日本台風による災害復旧工事を実施してきた。合流する大芦川も事業を進めており、改修による流量増加を見据え計画流量や改修内容を立案した。

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