笛吹市内で行われている笛吹川護岸工事の現場に、土で形取った巨大なメッセージが出現した。齋藤建設(齋藤啓文社長、甲府市)が建設業のPRの一環でICT建機を使い作成。土手を走る車からもよく見え、道行く人の目を楽しませている。
関東7県の建設業協会青年部会からなる関東建設青年会議が企画。県内では同社の現場が選ばれ、同工事を所管する国交省甲府河川国道事務所協力のもと実現した。作成したメッセージは「START2024」。1文字が縦15m、横14mほどの大きさで、130mにわたりの9つの文字が並ぶ。作成にあたり同社保有のドローンで測量し、3次元の設計データを作成。そのデータをマシンコントロールのバックホウに落とし込み、文字周りを深さ1mほど掘り進めた。
製作期間は約1週間。齋藤社長は「今の技術では全幅130mにもなる巨大な文字が比較的簡単に製作できることを知ってもらいたい。日常で見かける場所に巨大文字を製作することで、建設業を身近に感じてもらう機会にもなる」と話す。
現場を指揮する同社の利根川悠司課長は「ICT建機の活用により丁張りなどが不要になり、これまで1カ月ほど掛かっていた作業を数日に短縮できた」と、ICTによる生産性向上をあらためて実感した。
この取り組みは茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川でも行われる予定。各地に出現する巨大文字が、今の建設業の技術力、物づくりの楽しさをアピールする。
【写真左=利根川課長】
【写真=笛吹川護岸に建機で作成した】