国土交通省は、建設コンサルタンツ協会と日本橋梁建設協会による橋梁技術のデータ連携実装に向けたシステム開発が完了したことを受け、鋼橋上部工工事で試行を行う。設計データを工場製作で使用するデータの連携試行で中国、四国地方整備局に連絡している。
両協会が目指しているのは、設計段階の自動設計システムと、施工段階の生産情報システム(自動原寸システム)とのデータ連携。データを設計情報属性ファイルにより連携するシステムを開発。両協会と自動設計システムなどのベンダー企業が活用検討ワーキンググループを設置して進めた。
データ連携の試行工事は、中国地方整備局浜田河川国道事務所の福光・浅利道路2号橋で片平新日本技研が設計、施行はIHIインフラシステム。もう1つ、四国地方整備局徳島河川国道事務所発注の四国横断自動車道津田高架橋でP7―p12の上部工。パシフィックコンサルタンツが設計、川田工業の施工。
データ連携のイメージは、自動設計システムでのデータを中間ファイル作成システムで標準フォーマットに自動変換。それを納品してもらう。工事発注後、自動原寸システムには標準フォーマットを基にデータが自動入力され、一部システムに対応していない部分の手入力を経て、工場制作データが完成する。
現在は、自動原寸システムには2D画像をもとに情報を手入力していたため、確認など含め手間と時間がかかっている。また、自動入力なのでミスの防止にもつながる。
試行では、発注者が中間ファイルに変換し、自動設計システムで反映していない内容を含め工事受注者に提供する。
工事受注者は、自動原寸システムおよび反映できていない部分などの手入力を行い、工場制作データを完成させる。このデータと設計コンサルの納品データを比較する。なお、従来方式と試行の双方を行い、改善効果を比較する。
本運用になれば自動設計システムと中間ファイル作成システムが一体化される。