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茨城県水戸市

総事業費20~25億/小中45校体育館に空調

2024/02/03 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市は、市立小中学校の体育館(全45施設)への空調設備導入へ準備を進めている。2024年度当初に基本計画策定に向けた業務委託を通知。25年度には約15校分の実施設計に着手し、26年度は25年度に実施設計を行った約15校の工事発注・着手と、新たな約15校を選定し実施設計を行う。27年度も26年度と同様の工程で工事を進め、28年度末には全45校の工事が完了する方針だ。総事業費は20~25億円を試算している。

 今年度は、基本計画に盛り込むための実地体験や聞き取り調査などを行っており、結果をまとめ、基本計画に反映させる。同計画では、スポット型や輻射式などの空調の種類や、ガスや電気などの熱源について、コスト面や維持管理などについて検討しまとめていく。

 高橋靖市長は同事業に関して「国の補助金等をしっかり活用しながら事業推進を図っていきたい」と話した。市長は教育環境の充実を最優先の課題と捉えており、23年6月の市議会定例会でも小中学校の体育館への空調導入に意欲を示す答弁を行っている。

 水戸市立の小中学校への空調設置は、普通教室や特別教室では整備が完了している。一方で体育館には空調設備が無く、大型扇風機の設置などで暑さ対策を行っている。

 学校の体育館は授業や部活動などで使用されるだけでなく、災害時には避難所としても利用されており、市では抜本的な暑さ・寒さ対策として全小中学校に空調設備の整備を推進していくことにした。

 一方、体育館に空調を設置するには屋根や窓、壁、床などの断熱性の確保も課題となるが、水戸市立の小中学校の体育館は断熱性は確保されていない。そのため市では、現在の施設に導入する空調設備はどのような設備がふさわしいかなどの整備手法や内容、整備の優先順位などを検討中で、先進地の視察や関係部署での打ち合わせなどを進めている。

 同事業は、市第7次総合計画-みと魅・Nextプラン-(案)にも盛り込み、今後精力的に進めていく方針だ。

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