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【下請取引等実態調査】全体の8割提示せず/見積依頼時の提示14項目

2024/02/06 本社配信


 国土交通省が行った2023年度の下請取引等実態調査によると、書面で行うとされる見積依頼について、8割程度の実施率にとどまっていることが分かった。また、見積依頼時に提示する14項目についても、約8割が必要項目を提示していないことが明らかになった。

 見積依頼方法は83・7%がメールやファックスを含め書面で依頼。前回調査の82・6%から改善が見られた。大臣許可の特定建設業は95・5%、同一般84・6%が書面で依頼しており、前回とほぼ同じ割合だったが、知事許可の場合は特定84・8%、一般78・2%で前回調査より1ポイント以上の改善となった。だが、全体では口頭での依頼14・3%など2割近くは書面ではない状況。なお、見積依頼時には下請契約の具体的な内容を示す必要があり、書面で示すべきとされる。

 見積依頼時に提示している内容については、契約書に記載すべき15項目のうち、請負代金額を除く14項目についてできる限り具体的な内容を提示しなければならないとされる。全体で20・6%が全て提示していると回答(前回19・2%)。残り約8割が必要項目を提示していないとなった。許可区分では大臣の特定が55・5%で、前回より4ポイント近い改善がみられた。しかし大臣の一般が20・3%、知事許可の特定が21・8%、一般は6・6%にとどまっており、許可区分に関係なく必要項目を示していない建設業者の割合が高い。

 14項目の提示割合をみると、工事内容と工期に関しては許可区分に関わらず、おおむね提示されている。残る12項目の提示割合は低い状況で、相対的に高い割合の大臣許可の特定で8~6割が提示。知事許可の一般は2割未満が目立つ。許可区分に関係なく比較的提示している割合が高いのは、支払い時期と方法。また、大事許可の一般より、知事許可の特定の方が提示している割合が高い。

 見積期間に関しては、予定価格に応じた期間を適正に定めるとされている。予定価格500万円未満の場合(中1日以上)は98・3%(前回98・6%)が適正な期間を設けている。しかし500万円以上5000万円未満(中10日以上)は77・8%(前回77・2%)、5000万円以上(中15日以上)78・9%(前回77・7%)となり、2割以上が適正な見積期間を設けていなかった。

 下請代金決定方法は、全体で98・4%(前回98・1%)が十分協議を行っており、おおむね順守されている状況にある。

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