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新年度は基本設計など/富士・東部でごみ焼却施設整備/県環境影響評価等技術審議会

2024/02/10 山梨建設新聞

 県は、環境影響評価等技術審議会を恩賜林記念館で1月31日に開いた。会では富士・東部広域環境事務組合の一般廃棄物処理施設整備事業に係る方法書や、会長の選任を審議。出席した事業者からは一般廃棄物処理施設整備事業の概要について委員に説明した。西桂町小沼米倉と富士吉田市上暮地の一部の約4haを事業地とし、ごみ焼却施設とリサイクル施設を整備する。2024年度には基本設計などを予定し、25年度より施設発注に向けた事業者選定に入る。27年度から建設を進めて、32年4月からの供用開始を目指すとした。

 同組合では西桂町小沼米倉と富士吉田市上暮地の一部において、一般廃棄物処理施設の設置を進める。事業地は中央自動車道の富士吉田西桂スマートICの東に位置し、中央自動車道と一級河川・桂川に囲まれた場所。農地や山林を含めた約4haが対象となる。

 富士・東部地域の12市町村では現在4つの施設でごみの処理をしている。各施設においては老朽化や地元との協定による使用期限の定めなどの諸課題を抱えており、ごみ処理施設の整備に向けた取り組みが進められていた。ごみの発生抑制やリサイクルの推進が見込めて、山梨県ごみ処理広域化計画の方向性にも合致するとして、構成する市町村の間で協議。新たに整備するごみ処理施設を1カ所に集約したごみ処理を行い、32年4月までにごみ処理の開始を進めることに合意した。

 同事業では、ごみ焼却施設とリサイクル施設を設ける。ごみ焼却施設は可燃ごみ、可燃性粗大ごみを対象とし日量219~225tの処理を想定。リサイクル施設は、粗大ごみや不燃ごみを日量26・7t、資源ごみを同17tのあわせて43・7tの処理を行う。

 配置や導線計画によると、事業地は南西側が高く、北東側が低い高低差がある。基本的な考えとしてこの高低差を利用して、ごみ焼却施設とリサイクル施設を別棟とする方向。煙突は桂川側に配置するなど、景観に配慮した配置とする検討が進められているという。

 搬入路は西桂町側と富士吉田市側の東西2方向で整備して、周辺道路が混雑しないように配慮していく考えだ。

 また、事業地には上下水道が区域外にあることから、地下水を利用する形となる。施設のプラント排水は再利用して、施設外には排出を行わない。給湯やトイレからの生活排水については合併浄化槽により処理を行う。

 施設の建屋について、ごみ処理施設は日量219tの処理を想定すると、縦横約94mと55m、高さが約36mで、煙突の高さは59mを想定。リサイクル施設は日量43・7tの処理とすると、縦横約78mと56m、高さは約22mを見込む。

 事業スケジュールとして本年度は基本計画策定や用地測量調査を行う。24年度には基本設計などが予定されている。25年度より施設の発注に向けた事業者の選定を開始する。27年度から事業地の造成、ごみ処理施設の建設を行い、32年4月からの供用開始を目指す。

 環境影響調査については23年度から開始し、26年度までの4年間で進める。議事では環境影響評価報告書について、実施区域や周辺の概況、調査や予測の方法、評価方法を委員に説明。委員からは排水の出口の検討や排熱の有効利用、調査した結果の公表を求める意見などが出ていた。


【写真=恩賜林記念館で行われた審議会】

恩賜林記念館で行われた審議会

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