県内19市の2024年度当初予算案が出そろった。本紙の集計によると一般会計の投資的経費(普通建設事業費と災害復旧事業費の合計)の総額は974億4000万円で、前年度当初に比べ14億4700万円、率にして1.5%増加した。一般会計全体に占める投資的経費の割合は12.2%で、前年度と同値だった。自治体別で前年度を上回ったのは11市。増加率が最も大きいのは駒ヶ根市で、総合文化センター長寿命化改修に5億6300万円、竜東振興土地改良基盤整備に1億1450万円を計上したことなどから108.5%増。他に大町市、飯田市、飯山市も伸び率が30%を超えた。
投資的経費が最も大きいのは長野市で212億1300万円。22年度から公共施設の老朽化対策について、財政負担の平準化を図りつつ着実に実施するため「施設長寿命化枠」を設定。24年度は前年度を12.5%上回る69億9000万円を確保した。以下、飯田市104億400万円、松本市101億900万円、安曇野市74億9600万円、佐久市66億5400万円と続く。
投資的経費の増加額が最も大きいのは飯田市で32億1400万円増。リニア駅関連事業に16億1100万円を配分し、駅前広場の用地補償、物件補償、埋蔵文化財調査、物件補償などを推進する。道の駅遠山郷再整備に6億1600万円、上郷小学校大規模改修など小学校長寿命化に5億6700万円も計上した。2番目は安曇野市で11億7500万円増。三郷東部認定こども園建設に4億8300万円、豊科近代美術館大規模修繕に3億600万円、穂高鐘の鳴る丘集会所施設整備に2億3700万円を計上した。3番目の佐久市は11億2200万円増。野沢児童館・子育て支援拠点施設整備に10億1500万円、都市構造再編集中支援(県民佐久運動広場跡地再整備、中込地区都市基盤施設再整備)に9億8600万円を充てた。
投資的経費の増加率が駒ヶ根市に次いで高いのは大町市で68.4%増。学校再編環境整備や文化会館改修といった大型事業が要因。この2事業や28年開催の国民スポーツ大会関連事業などが続くことから、27年度頃までは同規模で推移する見込み。一方、減少率が最も大きいのは中野市で、市民会館リノベーション工事や情報通信施設更新改良工事の完了により57.8%減となった。
一般会計に占める投資的経費(構成比)の割合が最も高いのは飯山市で20.9%。前年度に比べ4.4ポイント上昇した。新統合小学校建設事業に25億4700万円を計上したことが主要因で、これにより一般会計も過去最大となった。同事業では校舎建設を推進するとともに、プール新設工事を発注する。2番目は飯田市で、前年度比4.7ポイント増の19.4%。3番目の千曲市は、保育所施設整備や公共施設の更新・除却・長寿命化事業費の増加により17.3%。前年度を2ポイント上回った。
一般会計の総額は7995億6000万円で前年度比1.9%増(152億7300万円増)。増額編成としたのは19市中14市となっている。