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【BIM/CIM】26年度にも運用開始/積算利用へ24年度試行

2024/02/28 本社配信


 国土交通省はBIM/CIM積算の取り組みで、設計数量管理機能(データ加工アプリ)の試行版開発を進めており、2024年度にはデータ変換ツールを開発しコンクリート構造物を対象に試行に入る。システム開発や試行などを随時進め、26年度以降に運用開始するスケジュールを描いている。現在の積算は各作業者による手入力が多いことから、データを活用し効率化を図る。

 BIM/CIM積算の取り組みは直轄の信濃川河川事務所で、山地部掘削工事を対象に設計支援ソフトで3Dモデルを作成し、数量を自動算出する。対象は掘削工、法面整形工、法面吹付工。素掘側溝は2Dの方が作業が効率的となるため、3Dモデルから設計支援ソフトで2次元図面を作成して反映させる。数量は手計算。これら数量を数量総括表へ手入力した。数量計算の手間が削減、3Dから2Dを作成したため作業が半減したなど効果があった。ソフトウェアから総括表へ自動入力できれば転記のミスもなくなるという改善点が報告されている。

 また千曲川河川事務所は、樋門工事を対象に3Dモデルを作成して数量を自動算出。対象は土工量(床掘、埋戻し、基面整正工)、コンクリート、均しコンクリート(規格、量)、鉄筋(規格・重量・本数)など。盛土量などは手計算し、いずれも数量総括表に手入力した。2次元図面と3次元モデルを別途作成したためコストと時間を要したなどの改善点を指摘。3Dと2Dが連動してこそ生産性向上につながるとしている。

 目指す姿は、3次元モデル、設計支援ソフト、設計成果で積算根拠を連携。3次元モデルと、データ変換ツールを介した設計支援ソフトのデータをデータ加工アプリにつなげる。修正設計がある場合も同アプリを介して、積算システムを通して、予定価格算出する。

 運用に向けては、積算システムの開発が続行する。並行して年度末までにアプリの試行版を作り、24年度からは改良に入る。BIM/CIMは、アプリ試行版を受けてデータ変換ツールを開発し、24年度後半からコンクリート構造物での試行に着手。25年度には鋼構造物と土工モデルの試行を行い、26年度以降の運用を目指す。

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