県教育委員会特別支援教育課は松本養護学校(松本市)と若槻養護学校(長野市)の改築・改修に向けた2024年度の事業内容を明らかにした。両事業とも基本設計から実施設計へ移行。松本養護についてはこれと並行して敷地内にある旧職員住宅の解体工事などを行うとし、当初予算案に工事費約9200万円を計上した。
松本養護の調査・設計費用については23年度9月補正予算で9966万円を計上するとともに、24年度の債務負担行為として2億4411万円の限度額を設定。24年度予算額は3億4479万円で、債務負担行為の予算化と解体工事費のほか、工事に伴いなくなる職員駐車場やスクールバス駐車場所の代替地賃借料を計上している。今のところ24年度の発注案件は解体工事のみの予定。
基本・実施設計業務は23年11月にSALHAUS・仲建築設計スタジオJVと契約。履行期限は25年3月21日。契約金額は2億6920万円(税抜き)。23年度はこのほか測量業務(委託先はサンコンサルタンツ)、LAN系統図作成業務(委託先はTOSYS)、地質調査業務(委託先は日建エンジニアリング)を発注、実施した。
施設整備は2段階に分けて計画。今回の第1段階では03~06年度に大規模改修を行った校舎および近年整備した校舎(合計8棟)以外を対象とする。新築建物の総延べ面積は約8700㎡を見込み、NearyZEB仕様で整備する。改修する建物は約4700㎡、解体する建物は約4300㎡。現時点の建物の総延べ面積は9155㎡(屋外渡り廊下などを除く)だが、第1段階工事完了後は1万3500㎡程度となる。
本工事費については設計業務の進捗を踏まえ、24年度の補正予算で要求する考え。25~27年度に工事を行い、28年度の開校を目指す。22年度の基本計画策定支援業務発注時に示した予定工事費は約45億6000万円。なお、おおむね30年後を見込む第2段階では、第1段階で対象外とした校舎について整備する予定。
■若槻養護は実施設計
一方、若槻養護の調査・設計費用については23年度9月補正予算で1898万円を計上するとともに、24、25年度の債務負担行為として2億6942万円の限度額を設定。24年度予算額は1億507万円で、実施設計および発注済みの地質調査費用。24年度に発注する案件はないもよう。
基本・実施設計業務については23年12月にCOA(東京)と契約。履行期限は25年7月4日。契約金額は2億1300万円(税抜き)。23年度はこのほか測量業務(委託先はこうそく)、学校に隣接し工事中の仮校舎として使用予定の国立東長野病院建物の耐震診断業務(委託先は中野設計事務所)、地質調査業務(委託先はエンジニヤエヌディー)を発注した。
同校は1971年度にLS造で建てられ、76年にRC造2階建ての校舎を増築。主にLS造で建築された校舎は老朽化が著しく、また教室の狭隘化、体育館や給食設備の未設置といった課題もあることから全面改築する。新施設はS造3階建て、延べ約7300㎡を想定。ZEB仕様で整備する。解体する建物は約2100㎡。仮校舎など改修する建物は約1400㎡。基本計画段階では24年度中に仮校舎の改修に着工予定だが、賃借等の調整中であり、予定通り進むかは現時点で未定。
本工事については25年7月の設計完了後、同年度から工事を開始。28年度の開校を目指す。22年度の基本計画策定支援業務発注時に示した予定工事費は約36億2000万円。