国土交通省は、コンクリートの生産性向上へ生コン情報の電子化に取り組んでいる。帳票の電子媒体化では、JIS規格のA5308を3月に改定し、レディーミクストコンクリートの配合計画書、納入書等の提出を電磁的記録でもよい規定を追加。生コンスランプの画像解析も試行とともに実施要領の検討を進めており、2024年度以降に本格運用を開始する。
生コン帳票はこれまで全て「紙」とする規定があった。記録を全てクラウド上に保存することで、生コン工場の出荷状況や施工現場の打設状況を見える化し、供給者、受注者、発注者の3者がリアルタイムで確認できるため、施工品質の向上と省力化が可能になる。
現在、改定版試行要領により全国で試行が行われている。並行して実施要領・ガイドライン検討、JISの改正を行う。
23年度試行のフォローアップ調査では、施工者からは良いが7割余、残りも普通との回答で好意的なとらえ方となった。供給者側は約6割が良い、残りが普通と答えている。今後は、試行工事を継続することで、生コン工場、受注者への理解を深める。試行データのデータ収集は継続し、普及・拡大を図る。
JIS改正は、電磁的記録で提出を認めるほか、スランプ12㎝の採用をさらに促すため、普通コンクリートの10㎝を廃止。強度検査の供試体を工場出荷時に運搬車から採取した試料作成を可能と追加。積み込み時に戻りコンクリートの使用をしてはならない、と明確化するなど。
直轄工事で試行を実施しているスランプの画像解析は、生コン車のシュートから流れてくるのをカメラで撮影しAIによる画像解析を行い、品質試験の代替えをするもの。これまで7人程度が集まり試験を行っていたが、現場は1人で対応できるといった大幅な省人化が実現されている。