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国土交通省

【標準見積書】作成手順案固まる/安全衛生経費の内訳明示

2024/03/14 本社配信

 国土交通省は、安全衛生経費を内訳として明示するための標準見積書について、作成手順をまとめる。14日に開催した安全衛生対策項目の確認表および標準見積書に関するワーキングで、先行して取り組んでいる日本型枠工事業協会(日本型枠)、日本左官業組合連合会(日左連)の標準見積書案と合わせて手順書案を提示した。

 先行工種となる日本型枠の標準見積書は、現場の安全経費を積み上げた経費率と、店社安全衛生経費の経費率を合わせ、工事見積金額に乗じた額が安全衛生経費となる。

 日左連の算出方法は、個別工事現場の安全衛生経費は積み上げ計算、労務者に関する安全衛生経費は労務費の9・0%で算出。合わせた額が安全衛生経費となる。

 先行工種工種以外への拡大を図るため安全衛生経費を内訳明示した標準見積書作成手順案をまとめた。その対象範囲は、見積条件提示時に安全衛生対策項目確認表等で、下請負人が費用負担することを確認した項目。基本的な算出方法は▽個別工事現場(作業場)の安全衛生経費▽個別工事現場(作業場)の労務者にかかる安全衛生経費▽店社で支出する安全衛生経費―の合計とした。

 個別工事現場(作業場)の安全衛生経費は、安全衛生管理常駐者経費、活動経費、立入禁止措置、開口部養生設置費用など現場で必要となる経費を積み上げ計算。

 労務者にかかる安全衛生経費は、積み上げ計算と率計算を挙げた。積み上げは、防護帽や墜落制止用器具など使用する延べ人工数に耐用日数で除した単価を乗じて積算したものを積み上げる。

 率計算は、個別工事で積み上げが困難な場合に行う。1年間の自社で労務者用に購入した保護具等の総額を1年間の売上額、または労務者の年収で除して割合を算出。個別工事の工事金額、または労務費に乗じて計算する。

 店社の安全衛生経費は、安全大会や安全衛生責任者教育などの経費の1年間の総額を1年間の売上額、または労務者の年収で除して割合を出す。これを個別工事の工事金額、または労務費に掛け算して出す。

 ワーキング開催に当たり、蒔苗浩司大臣官房審議官は「8日に建設業法の入札契約法の改正案が閣議決定された。改正内容には、低い労務費等による見積り書の作成や変更依頼の禁止が盛り込まれている。安全衛生経費に関しても建設工事従事者にとって重要と考える。この取り組みが実効性のあるものとなるよう、委員の皆さまに活発な意見をいただきたい」とあいさつした。

標準見積書などについて意見交換

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