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予防保全の機運高めて/橋梁GIS開発の長野技研/新田県建設部長へ受賞報告

2024/03/22 長野建設新聞

一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会が主催した「アーバンデータチャレンジ2023」で国土交通データプラットフォーム特別賞を受賞した長野技研(松本市、中嶋孝満代表取締役社長)は、15日に県庁を訪れ、新田恭士建設部長に受賞報告を行った。受賞作品『長野県の橋梁GIS』は、xROAD(全国道路施設点検データベース)と連携し、県内の橋梁に関する公開情報の概要を地図やグラフで分かりやすく表示するWEBアプリケーション。中嶋社長は「多くの皆様に幅広く活用していただき、県内の橋梁メンテナンスへの関心を深めてもらえば」と話した。

 当日は中嶋社長と開発に携わった長野事務所の木下昌明所長、奥川博也課長、松平紀恵係長が出席。新田部長と増澤邦彦技術管理室長が応対した。

 『長野県の橋梁GIS』は全国道路施設点検データベースと国土数値情報を使用し、県内の橋梁メンテナンス状況を地図上で可視化する。フィルタ機能を有し、CSVエクスポートも可能。API接続により最新の情報を取得する機能も搭載し、利用者が最新データを継続的に利用できる環境を整備している。点検結果(健全度)や措置状況別の橋梁数はグラフで表示し、県内の橋梁の概況を一目で把握できる。奥川課長は「データをより見やすく、分かりやすく表現すること。そして誰でも簡単にアクセスでき、容易に扱えることを念頭に作った」と開発の経緯を紹介した。

 新田部長は「高齢化した橋梁が急速に増大している。県が管理する橋梁のうち28%は修繕が必要な状況。全国平均が8%であることからも非常に深刻な問題であることが分かる。県では修繕費の急激な増加を避け、着実に維持管理を進めていくため、これまでの対症療法型から予防全型への転換を図るべく取り組んでいるが、これをさらに加速していく必要がある。県内の橋梁の概況を見える化する本WEBアプリは、行政にとっては現状が可視化されつらい面もあるが、適切な処置を施すためにも、予防保全型への転換の機運を高めるためにも非常に有用。とても良いメッセージになる」と評価した。

 『長野県の橋梁GIS』のURLは下記の通り。

https://www.naganogiken.co.jp/GIS/bridgeNagano/

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